第5話 ページ7
放課後、いつもの様に美術室へ行くと招かざる客がいる。
「何でマサイ先輩がここにいるんですか。」
多分だけど、凄い嫌そうな顔してる、私。
それを見て、ケラケラ笑って、まぁそう言うなよAちゃん、ってニッコリ笑って見せた。
くそう、イケメンは笑うと凶器になるな。
こんなに腹が立ってるのに、この笑顔がヤバいもんだって事は分かる。
昨日のモトキくんの言ってた事は気になるけど、マサイ先輩を許す気にはなれないから、無視して準備室に向かう。
キャンバスや絵の具用意して、出口に視線をやるとマサイ先輩が立ってる。
腕を組んで、ドアに縋ってた。
うわぁー、カッコいいわ。
これで、モトキくんの存在なかったら好きになってるわぁ……って、違う違う!!ない、ないよお!!
って言うか、昨日マサイ先輩が私にした事をリアルに鮮明に思い出してしまって、身体が強ばる。
もし、ここで『昨日の続き』とか言われて押し倒されたら、誰も来ない美術室。
助けを求めることなんて出来ない。
何で帰らなかったの、私!!
ちょっと浅はかだったと自分の行動に盛大にダメ出ししてたら、マサイ先輩が「あ」って言った。
「誤解すんなよ?俺、Aちゃんには絶対手出さないから。」
「……え?」
ニヤーって、悪い笑顔。
「いるんだろ?Aちゃん、好きな奴が。」
へ?
「あ、もしかして彼氏?」
「ちちちちち、違うっ!彼氏じゃないから!!!」
って言ってから、しまったって思った。
マサイ先輩、お腹抱えて笑ってるから。
もー!!
モトキくんの嘘つき!!
ちっともいいやつじゃなーーーい!!
いつまでも笑ってるマサイ先輩は放っておいて、私はキャンバス抱えて美術室へ移動する。
すれ違いざまに、
「持ってやるよ。貸してみ?」
って、ヒョイとキャンバスを持ち上げるマサイ先輩。
スタスタと歩いて、どこに置くんだ?って聞いてくる。
ああ、女子ってホントにこういうのに弱いなって思う。
「……これ、何描いてんだ?」
マジマジと私の描いてる絵を見る。
「やだ、見ないでくださいよ!」
慌てて駆け寄ってキャンバスを隠すようにすると、
さっきの悪い笑顔とは打って変わって、爽やかな笑顔で、
「俺さ、あんまり詳しくはねぇんだけど、いい色だなって思う。」
好きだな、こういう色使い。
なんて言うから。
意に反して、少なからず嬉しかったりもする。
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HANA(プロフ) - 小町屋さん» あぁあああ!ごめんなさい、コメント気が付きませんでしたぁ!!!マサイくんはイケメン。これ常識www (2018年8月20日 18時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
小町屋(プロフ) - マサイ君にペースを乱されてる夢主ちゃん。でも相変わらずイケメンなマサイ君本当に好き! (2018年7月21日 19時) (レス) id: 40b138f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 小町屋さん» どーもです!!コメントありがとうですです(´∀`)なかなか更新出来てなくて申し訳ないです。頑張るので応援したってくださいな!! (2018年5月4日 22時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
小町屋(プロフ) - お久しぶりの更新!マサイ君の何て言うか、マイペースな感じなんか良きw次楽しみにしてます (2018年5月4日 22時) (レス) id: 40b138f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます!面白いって言ってもらってるのに、どん亀更新で申しわけありません。頑張るからねー!! (2018年1月27日 19時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
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