６０(ダーマ) ページ19
俺は感情が顔に出やすいらしい、前にシルクが言ってた。
緊張すると、顔が強張るって言うか、怖くなるから、なるべく笑える話をして一緒に笑った。
シルクお勧めのお店で飯を食べて、楽しそうに笑うAに安心する。
店を出て、送って行くってAに言って、歩き出す。
本来なら、横に並ぶかもしくは手くらい繋ぐのがいいのかもしれない。
でも！でも！けど！
タイミング分からない、声出ない、勇気出ない。
ないないづくしで、なにも出来ない。
情けないったらない。
｢あ、あの、ダーマくん！？｣
｢あ？何？｣
Aから声を掛けられて振り向くと、赤い顔して何か言いたげな表情。
もう少し、一緒にいたい……
そう言われてる気がした。
俺、何やってんだって思った。
俺はAにどうしたいって思ってんだよ、覚悟どうした？！
｢……ワイン、美味かったけどちょっと酔ったかな。酔い覚ましに、も少し歩くか？｣
｢う、うん！｣
ぱあっと笑顔になるAにホッとする。
もう少し一緒にいたいって素直に言えないけど、さっきから気になってたことをAに言う。
｢手。さっきからよろよろしてる。危なっかしいから、手。｣
手を差し出して、でも、やっぱり顔見ては言えなくて。
そっとAの手の温もりを感じる。
｢……ありがとう。｣
｢お前が危なっかしいからだ。｣
｢うん、ごめんね。｣
繋いだ手から、お互いの心音が伝わってる気がして。
何も言葉に出来なかった。
胸が痛くて、息が詰まる。
好きがこんなにしんどいなんて、聞いてねぇよ。
Aに合わせるようにゆっくり歩いて、なるべく一緒の時間を引き延ばしたいって思ってた。
そんな時、遠目にシルクとンダホが見えた。
今メンバーには会いたくないって言うか、からかわれる、絶対！ヤバッて思った瞬間、シルクがこっちに気がついた。
目が合って、シルクはふわりと笑った。
そして、ンダホがこっちに気が付かないように促してくれてるように見えた。
シルクの気持ちが嬉しかった。
｢走るぞ。｣
｢えっ？｣
見つかっちゃダメだって思った。
Aはびっくりしてたけど、俺らっていつもらこんなだから、なんか二人して笑いながら走ってた。
走って走って、気がついたらあの公園で。
｢あれ、ここってもしかして……｣
｢出会ったとこ。｣
溢れる気持ちは、もう、止められない。
ベンチに座るAの前にしゃがんで、俺はAの顔を見た。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 246人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ASUTELU - 好きすぎて雨に濡れてもの歌詞かいちゃった♪ (2020年10月17日 11時) (
レス) id: c10422a1b4 (このIDを非表示/違反報告)
ビスコ(プロフ) - Fischer'sサイコー！！！Hoooooooo!!!!! (2019年1月18日 15時) (レス) id: 251e52ea6f (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 月影*さん» コメントありがとうございます！！読みやすさはいつも考えながら書いているので、そう感じて頂けてるなら良かったなぁと思います。可能な限り毎日更新しているのは、私が楽しいからです。楽しみましょう、なんでも。辛い事がないと、幸せな事も分からないので。 (2018年1月13日 18時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - Mionaさん» ごめんなさい、今ここのコメントに気が付きました！！遅ればせながら、寒空の出会い、読ませていただきました。可愛いと言うか、なんかきゅんときました。続き楽しみです。コメ返し遅くなってホントにごめんなさいね。 (2018年1月13日 18時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
月影* - 初めてまして！小説読ませて頂きました！ものすごく面白いです！もうきゅんきゅんが止まらない非リアです笑皆がかっこよぎて…学校行くのが辛くて笑笑自分も小説書いていますが、とても読みやすく参考にさせていただいたいます！これからも頑張って下さい！ (2018年1月13日 17時) (レス) id: 24f85d9e08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
