雨に濡れても２【Fischer's】【ダーマ】

５３ ページ12

我ながら、ウザい。

何であんなLINE送ったの、私。


名前で呼ばれて、

更に抱き締められて。

苦しいくらいに胸が締め付けられた。



こんなにも、

好きだって思ったことない。


だから、

ゴメンなんて言われたくなかった。

私、ドキドキして、

とてもとても、ときめいて

嬉しかったから。



｢だからって、あれはないよねぇ。｣

自己嫌悪で一睡も出来ず、

LINEの既読がついたけど何の反応もないのが、私を更に落ち込ませた。


こっちから

もう一回LINEすることも、もちろん考えたよ？

でも、出来なかった。

書いては消し、書いては消し。

何回したかもう分からない。



ダーマくんに、嫌われたくない。


ダーマくんに、笑ってて欲しい。


ダーマくんの、仕方ねぇなって言って、口角が少しだけ上がる笑い方が好き。

ダーマくんが、照れ隠しに視線を合わせないようにするとこが好き。

ダーマくんが、私の為に本気で怒ってくれるとこが好き。

ダーマくんが、私の名前を呼んでくれた、その声が好き。


ダーマくんが、

ダーマくんが、

……大好き。



何度考えてみても、

胸は痛むし、

ときめくし、

顔が熱くなるし、

ダーマくん、ダーマくんってそれ以外の事考えられない。

もうね、好きとかそんな言葉では全然追いつかない。


でも、

これがホントの好きってことなんだ。

理屈じゃないし、

セオリーがある訳でもない。

マニュアルなんて、

当然ない。


私は私のやり方で、

ダーマくんに想いを伝えないと、

私はきっと後悔する。


明るくなった空を見て、

決心した。


ちゃんと、

告白しよう。

ダーマくんに好きだって言おう。

告白もしてないのにダーマくんを責めるのはおかしい。

謝って、気持ち伝えたい。



一晩考えて、やっと考えがまとまった。

振られても、

それは仕方がない。


って、

思うのに、

既に振られた事を想定して涙流れるって、私思っている以上にウザい女だわ。


ゴロンって寝っ転がって、

ダーマくんが座ってたとこ眺めて、

もう一回、気持ちを固める。


よし、と

スマホを握りしめる。


今日ちょっとでもいいから会えないか聞いてみよう。


ピロン。


LINEの通知音。


ダーマくん……

ダーマくん？！


慌てて開いてみると、

おはようのスタンプ。


その後に、


『返事遅くてゴメン。今日会える？』


胸が、

騒がしく鳴り出した。





.

５４→←５２(シルク)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す