雨に濡れても【Fischer's】【ダーマ】

４３(シルク) ページ49

「この間、俺会ったんだけど覚えてる？」

モトキが自分の顔を指差しながら超絶笑顔で問いかける。

「……あ。」

思い出したんだー良かったーって、手をパチパチするモトキ、可愛いからやめれ。


「イケメンくーん？何人彼女いるのぉ？」


話が分からないマサイの顔が、

ああん？！

って怒りの気持ち溢れたいい表情になる。


ナイス効果です、マサイくん。


「まあね、結婚の約束してない限りはさぁ、詐欺とかには当たらないんだけどね。」

「いやぁ、何人も彼女作って貢がせたら軽犯罪法ヤバいんじゃね？」

｢ああ、何だっけ、軽犯罪法１６条の……｣

｢第２項だったかなぁ、確か。｣

そうそうそうそう！ってふたりで頷き合う。


マサイがヘーッて感心した顔して、

ンダホがポカンってしてる。


男は段々顔色が悪くなってく。


｢ま、かもって話だからね。｣

｢そうそう、かも〜ってね。｣

｢違う、かも、しれないしね。｣

｢……訴えられないと、いいね。｣

ふたりでニヤリって笑った。





｢おー、足速いなぁ。｣

あっという間に、ダッシュで男はいなくなった。

マサイとンダホは、そうなの？そうなの？って聞いてきたけど、何が？ってモトキと答えた。


マサイ大爆笑。

ンダホ、説明するまで理解せず。



しばらくすると雨が降ってきて、みんな俺の部屋に戻ったけど、ダーマから連絡がない。


多分送って行ってると思うんだけど……

さすがに心配になってきて、電話してみる。



『シルク？！』

｢ダーマ？！お前大丈夫だったか？！今どこ？！｣

『……そっちこそ大丈夫だったのかよ。』


ん？

ちょっと違和感？はぐらかされてねぇ？


こっちの状況説明して、エゲツねーって笑って。

俺の気のせいか？



｢で、お前どこにいんだよ？Aちゃんは？｣

その瞬間、

『武田さん、飲み物、コーヒーでいいですか？』

って聞こえてきた。

ん？

これ、Aちゃんの、声？



ノミモノコーヒーデイイデスカ？



ンダホが後ろからなんか言って来てるけどそんなんどーでもいい。


自分の顔がニヤニヤしてるのが分かる、ダーマ、やりやがった！


「上手くやれよ！ダーマ！！」


スマホを切って、みんなの方を振り返る。

どした？どした？って顔。



「緊急招集！ペケとザカオ呼んで！！」


コレは大事件！！


フィッシャーズに隠し事は禁物だからな！！




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