雨に濡れても【Fischer's】【ダーマ】

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もうホントに自分の浅はかさに涙が出そうだった。

こんなことになったのはみんな私のせい。


マサイさんに何かあったら、

ンダホさんに何かあったら、

シルクさんに何かあったら、


どうしよう！！


……ダーマさんにこんなにも迷惑掛けて、もう絶対に嫌われちゃったよね。

もう、合わせる顔がないよ。


ダーマさんに引っ張られるように走って、促されるようにベンチに座って。

ごめんなさいって言うことしか出来なかった。




｢アイツ、間抜けな顔してたよなぁ。｣

え？

思いもしない言葉が降ってきて、驚いて顔を上げる。


｢中村さん、案外やるなぁ。気分良かった。俺が中村さんの立場だったら同じ事してたわ。｣

さも清々しそうな顔して、

｢いや、もっとやってたかも。｣

って言うから、

思わず吹き出して、笑ってしまった。


ダーマさんがシーシーッて慌てて言って、私も慌てて手で口を塞いで。


そしたらもう可笑しくなって来ちゃって、ふたりでクスクス笑ってしまった。


はた、と。


自分の手がダーマさんと繋がれている事に気がつく。

あ……

急に頭の中にさっきまでの事が流れ込んで来て、

抱き締められた事、

耳元で囁かれた事、

手を繋いで一緒に走った事。



一気に顔に熱が集まってしまって、

ダーマさんも、あって気がついて慌てて手を離した。


お互いにごめん、ごめんって……


どうしよう、ダーマさん、困ってるよね、これ。

人間って不思議。

テンパっちゃうと、違う事考えちゃう。

マサイさん達、大丈夫かなぁって。


｢あの……マサイさんとンダホさん、大丈夫でしょうか？それからシルクさんも。｣


ダーマさんの表情が緩んで、大丈夫って笑う。


何だか私も安心して、凄くホッとした。


送ってくれるって言うダーマさんに、申し訳なさ過ぎて断ったんだけど、心配だって言われると、それはそれでまた申し訳なくて。


ダーマさんはさっきまでいたとこを見て、

うんって頷いて、

｢行こっ｣

って小声で言った。


不謹慎かもしれないけど、

何だかワクワクしちゃって、

コソコソと公園を出る事にドキドキしちゃって。



このドキドキは、

非日常な出来事のせい？



ううん、これは一緒にいるダーマさんのせい。



ダーマさん、


私ね


すごく


あなたに会いたかった。




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