雨に濡れても【Fischer's】【ダーマ】

２４(ダーマ) ページ28

ずっと会いたかった中村さんに会えて、連絡先交換もして。

ま、まぁ、色々はあったけど(もう触れたくない)みんなには感謝しないとなぁ。


Fischer'sの事についてもシルクが話してくれて。

中村さんは、YouTubeは知ってるようだったけど、見た事はあまりないって感じで。

｢是非見て欲しい！アスレチックとかがお勧めだから！｣

ってシルクは言ってたから、多分見たりするんだろうな。

どんな感想を持つのかが、ちょっと……いやかなり心配。


みんなに中村さんを送って行けって散々言われたんだけど、中村さんが

｢武田さん、寝てないでしょ？｣

って断ってきた。

ちゃんと寝てねって、笑顔で。


みんなが一瞬静かになったから、多分みんな見入ってしまったんだと思う。

それだけ可愛らしかった。


帰り道、マサイとンダホとペケたんは、やいのやいの俺に色々聞いてきた。

全部｢うっせぇ！｣って返事した。


シルク家へ行って、そうだな、ちゃんと寝ようかなとか思ってる時、


｢んん？｣

ってモトキが言った。

｢AさんからLINE来た。｣


全員の目が俺に向く。

｢今日はありがとうございました、だって。｣

はい、ってモトキが見せてくれる。


｢別に見せてくれなくてもイイって。｣

そう言った俺の顔をモトキはふーんって言いながら見てて。


げ。


超絶笑顔に変わった。


思わず構える俺に、キタキタ〜！的な表情のみんな。


そんな俺らを尻目に、モトキは何やらスマホを弄り出して、

｢もしもーし、Aさん？さっきはありがとう！｣


はぁ？！

で、電話したのか？！

｢うん、なんかさ、ダーマ話したい事あるみたいだよ？今替わるね〜｣

はい、ニッコリ、なモトキ。

やられたー

話なんかねぇよ！何話すんだよ！！

小声で抵抗するも、みんなに無理矢理スマホを持たされ、隣の部屋にグイグイ押され、ドアを閉められた。

｢ごゆっくり〜｣


モトキめ……

そのうち絶対に仕返ししてやる！！



｢……もしもし。｣

『あ、武田さん？』

耳元で聞こえる彼女の声にドキーンとなってテンパる。

『話したい事って……何？』

｢あ、あ、あのさ！何でモトキにLINE送ったの？｣


言ってから後悔する。

そんな事聞いてどうすんだよ〜

テンパり過ぎだろ〜

あ〜俺のアホんだらー！！



『いや、えっと……なんか、モトキさんって……』


聞きたくない話だったら、どうすんだよ、俺！





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