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目の前に、ダーマさんがいる。
ポカンとして、それからだんだんと赤い顔になって。
ああ、私を覚えていてくれたんだなって、凄く嬉しかった。
シルクさん達と、何かやり取りしてるダーマさんは私にとってとても新鮮に感じられて、ずっと見てたいと思うくらい。
「見てんじゃねぇ!あっち行ってろ!!!」
そう言ってから、ダーマさんは私に更に近づいて来てくれて、私の目の前で止まった。
「……よぉ。」
「あ……どうも。」
ああああああああ、
思っていたような言葉が全然出てこない!!
口の中カラカラ!
ど、どうしたらいいのぉ!!
「……風邪とか、ひかなかったか?」
「え?あ……はい、大丈夫でした。あの時はホントにありがとうございました。」
ダーマさんから声を掛けてくれたおかげで、
ようやくお礼を言って、借りていた傘を差し出した。
ダーマさんはジッと傘を見つめ、
それから視線をツイっと逸らした。
「俺んじゃねぇよ。拾ったって言っただろ。」
え……
「でも、えっと、あのぉ……」
こんなやり取りは全く予想してなくて、テンパってしまう。
あたふたしてる私にダーマさんは言った。
「それはもう、お前んだから。」
視線は一個も私の方には向けてくれない。
どうしよう、何か悪いことしてしまったかな……
嫌だったのかもしれない、気持ち悪い、よねぇ……3ヶ月も探してたなんて。
何だか申し訳なくなって、私は視線を落とした。
「でも、まぁ……」
ダーマさんの声に顔を上げる。
「どうしてもっつうんなら……貰ってやってもいいけど。」
朝焼けでオレンジ色だった空は、とても綺麗な空色になっていて、陽射しがダーマさんの顔を照らしていて。
視線は相変わらず逸らされたままだったけど、その顔は何だか優しくて。
そうだ、この人は、
とてもとても優しくて、
とてもとても不器用な人。
やっぱり、そうなんだ。
私、会いに来て良かったってホントに思った。
「はい、ダーマさんに貰って欲しいです。」
そう答えると、ダーマさん、やっとこっちを見てくれて、
「……仕方ねぇなぁ。」
ボソッとそう言ってくれた。
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ビスコ(プロフ) - この雰囲気好き…! (2019年1月18日 14時) (レス) id: 251e52ea6f (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - HANA(はなちゃん)さん» 伝わってたか…!よかった( ;∀;) 私も、はなさんが絡んでくれるから、最近とっても楽しく書けてる! こちらこそ、ありがとう!! (2017年11月25日 16時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
HANA(はなちゃん)(プロフ) - wakameさん» いや、ちゃんと伝わってるよwwありがとうね、wakameしゃんが絡んでくれるから楽しく書けてるんだよ。感謝してる(∩´∀`∩) (2017年11月24日 23時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - HANA(はなちゃん)さん» サラサラ!血液!笑 読みやすいってことよ〜っ(●´ω`●) 私、本当、日本語下手くそだから、伝わりにくくてごめん! 行動と心情との繋ぎがスムーズで素晴らしいって言いたかった! 語彙力欲しい泣 (2017年11月24日 23時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
HANA(はなちゃん)(プロフ) - wakameさん» サラサラ……お茶漬け?ww行動や心情に無理がないって事でしょうかね?嬉しいですよぉ、ありがとうございます(●´ω`●) (2017年11月24日 21時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
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