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無事にヤクザの屋敷を脱出できた。






阿妻は自分のであろうバイクに跨がり、アカギにヘルメットを渡す。






『送ってく。家どこ?』






「いいの?」






『良いよ。別に。それに今歩いて帰るとやばいしな。朝まで色々撒いてからアカギ君を家まで送る。ほら早く乗んな。』





急かされ、乗る気のなかったバイクに跨がる。





『……ヘルメットしろ。危ねーだろ』





阿妻はアカギが持っていたヘルメットをアカギに被せ、バックルを付けた。






「アンタはいいのかよ」






『俺はいーの。それよりちゃんと捕まってなよ。そのうちアイツら車で追ってくるかもだからな。』






そう言いながらバイクを走らせる。






コイツ、俺は女じゃないぞと言おうと思ったが、まぁ、大事にされているのには悪い気はしない。何も言わずにアカギはギュッと阿妻の腰に抱きついた。






『そんな抱きつかなくても良いんだけどよー…』






「だってちゃんと捕まってろって言ったじゃない」







『………まぁ怪我されるよりはいいか。』







阿妻は最初こそ戸惑っていたが、すぐにまぁいいかとバイクを走らせた。






『で、アカギ君ちって何処だよ。この辺?』






「東京。××区の○○ってアパート。」





『げっ。東京……此処九州だぜ?!』





「降ろすかい?」





『………いや、降ろさねぇよ。ちゃんと東京まで送り届けてやる。』







阿妻はハァ、とため息を付き、送り届けてやると言った。







「…アンタ、お人好しって言われない?」








『いんや。言われたのはこれが初めてだな。…………って後ろヤッベやっぱ追ってきやがった!!!ぶっ飛ばすから歯ァ食いしばれよ!!!!』

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作者名:ロス | 作成日時:2022年1月26日 0時

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