声をきかせて (ページ41)

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G "ちょっ。お前！ふざけんなッ！"

Y 『何よ。怖いの？天下のG-DRAGONがダサっwww』

帰るなんて言ってた彼女も花火なんて用意してて

本当はこの日を楽しみにしててくれたんだって

嬉しくなったんだ。

G "よし、次はこれしよう！"

Y 『はぁ？ねずみ花火の後はドラゴンでしょ？』

G "はぁ？それはクライマックスだろ。なんだ初っ端からぶっ飛ばすんだよ"

Y 『そっちこそなんで線香花火なんてもってんのよ。それこそクライマックスでしょ？うちではねずみ花火の後はドラゴンってきまってんの！』

G "はぁ？馬鹿じゃねーの？最後にドラゴンぶっ放して『あー。綺麗だったね』だろ。だいたいさーまだ早いだろ。もう少し暗くなってから・・・"

腑に落ちなさそうな顔をしながらその様子を見ていた彼女が

急に俺の前まで来ると俺の指を掴んで静止させると

泣きそうな顔で俺を見つめた。

Y 『やめなよ。』

G "何を？"

Y 『手話！今そんな姿だし、貴方がG-DRAGONなんて誰も気づかない。貴方まで耳が聞こえないと思われるよ。みんななんか言いながら見てくよ。』

G "いいじゃん。言わせておけば。"

Y 『よくないよ。』

G "俺は構わないよ"

そう言うとしばらく俺を見つめてた彼女が

泣きそうな顔をして

そのあとすぐ下唇を噛みながら俺を睨みつけて言った。

Y 『貴方が構わないのは、本当はその耳が聞こえているからよ。だから、私なんかに付き合って一緒にいない方がいい。私といることで貴方まで笑われる。』

G "笑われたっていい。笑わせておけばいいじゃん。"

Y『私が嫌なの。私のせいで貴方まで笑われるのが嫌なの。元々貴方のこと別にタイプさじゃないし。だからこんなかっこ悪い私に付き合って一緒にいる必要ないよ。』

G "は？言ってる意味が全然わかんないんだけど"

Y 『私と貴方は全然違うの。貴方は耳が聞こえて、音楽の才能も溢れてて、みんなに必要とされてて世界中に何万ものファンがいる。私は耳が聞こえないし、それでも音楽諦めきれなくてまだ性懲りも無くしがみついてるしそれにね、元々住む世界が違うのにただの偶然で出会っだけだしだからもうここでさよならしよう。』

G "は？ちょっと待てって"

そう言うと俺の横を通り過ぎて足早に去っていく彼女。

その彼女の背中を見送るしかできなくて

きっと今言わなきゃ後悔するのに

俺は何も発せずにただ立ち尽くしていた。