声をきかせて (ページ28)

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"スヨンどした？食べないの？"

Y 『ううん。食べるよ。ドイツにも焼肉屋さんあるんだね。』

"探したよ。急に肉食べたいなんていうから"

Y 『牛だ。』

"え？焼肉って言ったら牛じゃない？豚が良かった？"

Y 『ううん。牛だよね。』

あの日BBQをしたいと言った私に

メンバーを誘って連れ出してくれた貴方。

まさか自分の曲を手話で歌い出すとは思わなくて

素直になれなかったけど、ほとんど知らない彼らの曲を知ることができて

本当は嬉しかった

D "スヨンさんでいいですか？"

ヨンベとスンリ、ジヨンの三人が花火を持ってはしゃぐ姿を見ていたら

不意にそう話しかけてきたのはテソン。

D "あ・・・えっと。たっぴょんにゆっくり喋れば分かるって言われて。ってかたっぴょんとも友達だったんですね"

なんて遠慮がちに話す彼。

手話のわからない彼との会話は専ら地面に書いた私の文字と

ゆっくり話す彼の言葉とで成り立った。

Y 『スンヒョンとは昔からの友達なの。腐れ縁？かな？ジヨンは前にスンヒョンが私の働くバーに連れてきてからなんか懐かれたw』

D "そうですか。でもあんな楽しそうなジヨンヒョン久しぶりに見ました。どちらかというと女の子の前だとG-DRAGONが抜けなかったりするのに、あなたの前のジヨンヒョンは俺たちの前のように素でいられてるみたいで。僕も嬉しいです。"

Y 『素でいられてるというか、私の事女だと思ってないんじゃない？ってか今更G-DRAGONやられても困るけどね。"

D "そうですかね？でも。少なくともジヨンヒョンはスヨンさんの事大事だと思いますよ。だってめんどくさがりなジヨンヒョンがわざわざ手話を覚えるのにたっぴょんに教えてほしいって頭下げたみたいですしね。"

Y 『え？』

D "貴方と仲良くなりたい。友達になりたいんだって言ったらしいですよ。ジヨンヒョンあんなだから自分からいかなくても女の子は寄ってくるのに。貴方に対しては自分から言ったみたいですし、そんなの初めてです"

そう言われた時

素直に嬉しかったの。

はしゃぎ続ける彼を見ながら

心がざわついた。

"どう？"

Y 『美味しいよ』

"良かった"

申し分ないくらい久しぶりに食べた焼肉は美味しかった。

好きな牛肉で私の望んでる焼肉の姿

でも何故だろう。

あの日散々文句言いながら食べた

彼の焼いた豚肉のBBQは特別美味しかったわけじゃないけど

心の中がすごくあったかく感じた。