声をきかせて (ページ23)

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床に散らばった残骸。

たっぴょんは疲れたから横になると言う

彼女の母親に付き添って行った。

一人になったリビングで

粉々なった食器や

こぼれ落ちた観葉植物の土を片付けていると

静かに扉の開く音がした。

リビングの入り口に静かに立つ彼女。

目が合うと気まずそうな表情を浮かべて

Y 『お母さんとスンヒョンは？』

G "疲れたから少し横になるって。たっぴょんが付き添って行ったよ"

Y 『そっか…』

そういうと俺の横まで来てしゃがみこんだ彼女。

落ちている破片を拾おうとするその手を急いで掴んだ。

G "小さい破片が散らばってるから触らないほうがいい。"

Y 『大丈夫だよ。』

G "怪我したら大変だからやめとけ。な？"

しゃがみこんでいる彼女をそうやって静止して、笑いかけると少しぎこちなく笑った。

Y 『さっきはごめん。』

G "いや。俺も何だかんだ言いすぎたところあるし。俺もごめん。"

Y 『ねぇ。なんで神様は私から音を奪ったんだと思う？私なんか嫌われる事したのかな？』

G "いや。神様はそんな意地悪じゃないよ。ただ単にスヨンに不幸が訪れただけだよ。でも俺は決めたから。

俺がスヨン音のない世界から救う。"

俺を見つめるその目が戸惑いを映してた。

でもこの言葉に嘘はない。

音のない世界から救いたかった。

そういった俺を見つめてはにかんで笑った彼女

Y 『仕方がないから信じてあげる。私の耳になってくれるんでしょ？生きるのが苦しい時は一緒にいてくれるんでしょ？』

G "そだよ。"

Y 『ジヨン実はロマンチストだったんだね。』

G "そだよ。知らなかったの？だから白馬の王子さまの俺がスヨンを音のない世界から救うから。なんて。王子さまなんて柄じゃな・・・"

そう言うかいなか

甘い香りが鼻を掠めて

彼女の腕の中に包まれた。

俺ををだきしめたま

声にならない声で泣く彼女を

俺も彼女を抱きしめた。

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