Crazy Love87 ページ38
--YOU--
既に自宅に帰っているのかもわからないけれど、自宅できっと一人寂しさと戦っている気がして。
タクシーを降り彼の部屋のインターホンを鳴らすと聞き覚えのある声にホッと胸を撫で下ろしたのは内緒。
ドアを開き既にジャケット脱いでネクタイも外したラフな格好のG-DRAGONが出てきた。
G "レイ・・・。"
小さく呟いた彼の腕の中にいると気づいたのは彼の香水の匂いとアルコールの匂いがしたから。
彼の声がいつもより掠れて聞こえてきて、もしかして泣いてるんじゃないかなんて錯覚した。
今日はいつもの自信満々で勝ち気な彼の姿は何処にもなくて弱々しくて今にも消えてしまいそうで、思わず抱きしめる腕に力がこもった。
G "俺さ…今日誕生日なの。"
Y "そだね。"
G "………ケーキ食べてない。"
誕生日の日に彼の隣にいるはずの彼女がいないことに悲しくなった。本当ならパーティーの後二人でケーキ食べてお酒飲んで楽しく過ごしていたかもしれないのに。
G "ねぇ…ケーキ買いに行こ。"
Y "は？もう遅いし、何処も空いてないよ。"
G "コンビニでいい。行こ。"
真夏なのに完全防備で行く気満々の彼を止められるわけもなくコンビニでショートケーキを２つとロウソクを買って帰った。
ケーキはホールじゃないしロウソクは恐らく仏事用だし、散々な出来栄えのある意味アーティスティックなケーキが出来上がった。
ロウソクに火を灯して、ありきたりなHappy Birthdayなんて歌って。
ケーキは少しパサパサして美味しいとは言えなかった。
G "なんでソナじゃなきゃダメなんだろ。"
Y "へ？"
G "俺さ…モテるんだよね。"
Y "はぁ？何それ。自慢？"
G "綺麗な女の子も周りに沢山いるしさ。でも俺ソナしか見てないんだよ。"
Y "・・・"
G "だけど・・・ソナは俺を見てない。"
切なく呟く彼の声が聞こえる。
目が悲しく揺れていた。
彼の頭を抱きしめた。
Y "泣きたいなら泣け。"
G"泣き顔みられたくないし泣かない。"
Y "誰も見てないから。これなら見えないでしょ？"
G "俺さ…ソナが好きなんだよね。でもさ、スンリも大事だし、レイも大事。もう…どうしたらいいかわかんない。"
そう言うと彼は静かに腕の中で泣いた。
泣かないんじゃなく泣けない。
違う。泣いて縋って自分の弱さに気づきたくなかったんだ。
きっとこの人は馬鹿だ。
こんな時でさえ自分以外の人のこと思ってしまう大バカものだ。
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かな - いつも楽しく読ませて貰ってます。毎日忙しいのに更新してくれてありがとう。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年5月18日 17時) (
レス) id: 4b53c96ca7 (このIDを非表示/違反報告)
r030559(プロフ) - 更新楽しみにしてます！五人復活までの心の拠り所に勝手にさせてもらってます(汗) (2018年5月13日 9時) (レス) id: 79ae1c58cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜奈 | 作成日時：2018年5月9日 18時
