Crazy Love74 ページ25
--GD--
車が止まったのは工事中のビルの前。
車を降りてスタスタ歩くレイに続いて足を進めた。
工事中のテープを潜って階段を上り出た先はビルの屋上。
目の前にはネオンが輝いていた。
Y "見て！"
レイの指差した先には大きなテレビモニター。
そこには今流行りのアーティストが映し出されていた。
とびきりの笑顔で歌い踊る彼ら。
俺らもこんな風にみんなの目には映ってるのだろうか。
そのモニターに背を向けて手すりに身体を預けるとタバコに火をつけた。
Y "私も1本ちょうだい。"
G "は？吸ってたっけ？"
Y "辞めたの。スンリがタバコ吸わないから。でも今吸いたい気分なの。"
俺からタバコを受け取ると慣れた手つきで火をつけ尚も目の前のモニターを見つめるレイの横顔を見つめていると不意に口を開いた。
Y "私さ。ここでスンリに会ったの。楽しそうに歌って踊ってた。それ見てなんか泣けてきてこの場所で一人で大号泣したんだよね。"
そう語る彼女は少し切なげに目を伏せる仕草をしたかと思うとまたモニターに目を戻した。
Y "私歌は人を救うとか偽善じゃんって思ってたの。別に歌で感動した事もなかったしさ。でもあの時はなんか泣けてきて、生きなきゃ。生きていつかこの人に会わなきゃって思ったんだよね。"
ここで疑問が生まれた。
なぜレイはここに来たのか。
なぜレイは生きなきゃと思ったのか。
なぜレイは俺にこんな話をしているのか。
G "ねぇ。なんでここに来たの？"
Y "過去との決別？彼さ私のせいで亡くなったの。あの写真見たでしょ？あの写真撮った帰り道私を庇って事故にあったの。"
その内容はあまりに悲しい内容で
10代の女の子が背負うにはあまりにも重すぎた内容。
彼の死を受け入れられずまた塞ぎ込んでる所に両親と兄姉に人殺しと決別され生活費だけ振り込まれてあの日本の家追いやられた。
Y "あの日ねここに来たのは…死のうと思ったの。"
その言葉を聞いた瞬間彼女を抱きしめた。
Y "スンリは私を救ってくれるヒーローだと思ったの。思ったのに…。"
そう消え入りそうな彼女の声に思わず
G "俺がいる…。"
そう零す代わりにきつく抱き締めた。
俺がいる。
俺が守るから。
でも俺にはソナがいる。
自然と見つめあった。
交わる目と目。彼女の潤んだ瞳。
どちらかともなくそのまま見つめ合うとキスをした。
レイとのキスはタバコと涙の味がした。
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かな - いつも楽しく読ませて貰ってます。毎日忙しいのに更新してくれてありがとう。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年5月18日 17時) (
レス) id: 4b53c96ca7 (このIDを非表示/違反報告)
r030559(プロフ) - 更新楽しみにしてます！五人復活までの心の拠り所に勝手にさせてもらってます(汗) (2018年5月13日 9時) (レス) id: 79ae1c58cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜奈 | 作成日時：2018年5月9日 18時
