君とロマンスを。Ⅱ 【INI短編集】 (ページ3)

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自覚して（理人）ページ3

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理｢なーなんでそんな不機嫌な顔しとるん｣

｢…してない、｣

理｢そんなバレバレな嘘ついても騙されんけど笑｣

｢…嘘じゃないもん、全部理人が悪いんだから｣

理｢怒っとるやん笑何？俺気付かんうちに何かAの嫌がることしとったん？｣

｢…そーゆう無自覚なところがもっと嫌、｣

理｢えー俺Aに嫌われたら生きていけれんのやけどー。早よ機嫌直してや、｣

何だその感情のこもっていない言葉は。
理人はまるで理解していない、私のこの気持ちを。

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貴方はね、ちょっとモテすぎなのよ。
彼女が居てもそんなのお構いなしに告白され続けてるし、
大体、断り方が優しすぎるせいでみんな未練タラタラなの。

今日だって、1つ下の学年の可愛い子に告白されてたもんね
見たくないのに視界に入ってきたせいで私のテンションはだだ下がり。

ちゃんと断ってくれてはいたけど、
いつか私の他に好きな人が出来ちゃったらどうしよう
他の女の子に理人を取られちゃったらどうしよう
私の頭の中はこんなに黒くて醜い感情でいっぱいなんだもん。

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理｢なー今日俺ん家来ん？この前のゲームの続きしよ｣

不機嫌な私を見兼ねた理人は、そう提案した。

今日は繋ぎたくない、なんて言った私をふっと笑いながら私の手を握った理人。

こんなワガママな女の相手をよくするよね、理人も。

あぁ、とことん自分が嫌になる。
正直にこのモヤモヤの原因を理人に伝えればいいのに。

面倒臭い、重い
そう思われたくなくて言えない私

理｢…ん、着いたで｣

理人のその声に顔を上げれば、もう理人の家の前だった。

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相変わらず綺麗に整理された部屋
適当に座っといてと言われたけど、私が座るのはいつもの場所

理｢昨日父さん出張から帰ってきてさ、これお土産らしいから一緒に食べん？｣

ジュースとかを下から持ってきてくれた理人の手には
私が大好きなチーズケーキが

｢…いいの？｣

理｢もち、ほら早よ食べようで｣

チーズケーキを頬張る私を見て
可愛いな〜Aは、なんて微笑む理人。

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大体、理人は何で私なんかと付き合ってくれているのだろう。

これだけモテているのだから女の子は選び放題なはずで、
だけど告白してくれたのは理人の方からだった。

元々私も理人のことがずっと好きだったから、
付き合えてすごく嬉しかった。

だけどやっぱりモテる男を彼氏にするのはしんどくて。
幸せな反面、どんどん自信を無くしていくばかりだ。