Smiley (ページ46)

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よんじゅうごページ46

『帰ろ、』

落ちた灰を片付けて喫煙所を出たら電話が鳴った。

『健人？』
山"藍さんお疲れ様です、今何してます？"
『今劇場の喫煙所…』
山"ひとりですか？暇なら飲み行きましょ！"
『…うん！健人はどこおるん？』
山"家です、迎えいきますよ"
『あ。家知らんしお願いしていい？』
山"てかもう家出てます、どこ行きます？"

電話しながら楽屋の荷物をまとめる。

『そやなー、…あ、』
｢あ、藍さん！お疲れ様でした！｣
『横山ちゃんも遅くまで、』
｢いえ、ゆずるさん待ってて…｣

へへ、と頬を赤らめて笑顔で俯く横山ちゃんが可愛くて、前より可愛くなってる気がした。

『…なんか前より可愛くなったな？』
｢いや藍さんには負けますから！｣
『何言うてんの、若くてオシャレで、よっぽどわたしのが負けるわ』
｢いやいや全然子供で、｣
『可愛いなほんま、気をつけて帰りや？』
｢はい、藍さんも気をつけて！お電話されてたのにすみません、｣

にこっと笑って手を振ってくれる彼女に手を振り

山"もう喋っていいですか藍さん"
『あっごめん！いいよ！』
山"もう劇場着きますよ"
『はっや！』

廊下の向かいに河井さんがいてお疲れ様です！と言うと呼び止められる。

ゆ｢藍！｣
『えっなんですか！』
ゆ｢今日、さ…家、｣
『…え？なんですか？あっ河井さん！彼女待ってましたよ！』
ゆ｢お、ん。…お疲れ｣

電話口から聞こえる風の音であんま聞こえへんかったし彼女待ってた、と話をしてしまった。
少し影のある表情が気にかかってしまって。

『…かわ、』
山｢藍さん！｣
『えっ健人ごめん待たせた！？』
ゆ｢あ、飲み行くん？｣
山｢はい。話してはりました？すいません｣
ゆ｢や、ええよ。お疲れ｣
『お疲れ様です、』
山｢お疲れ様です｣

すぐ笑顔に戻ってお疲れ、と言う河井さんは横山ちゃんのおる方へ歩いてって確かにわたしに相談するんやったら彼女にするか、と健人にごめんなと謝って劇場を出る。