【不死川実弥】風柱、少女を拾う。

はち ページ8

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不死川は、腹の底から湧き出るイライラを抑え込みながら口を開いた。


「なんでてめェらがここにいるんだァ!?」


「まぁまぁ不死川さん、落ち着いてください」


「おめェも含まれてんだよ!!」


今にも刀を抜きそうな不死川を、屋敷に訪れた炭治郎が宥める。
しかしそれは逆効果だったようで、不死川は更に大きな声で怒鳴った。

一方善逸と伊之助は、勝手に不死川邸に上がり込みAの元へ行く。


「可愛い！可愛すぎるよこの子！結婚したい！」


「俺と勝負しろ!!」




「ゔゔぅぅぅッ!!」



突然目の前に現れた人間に、Aは低く唸った。
そして炭治郎と共に部屋に入ってきた不死川の後ろにサッと隠れる。


「何それもー可愛すぎぃぃぃ」


「ゔぅ……」


「おい善逸やめろ、女の子が怖がってるだろ」


炭治郎がうるさい善逸に注意をして、今にもAに飛び掛りそうな伊之助を押さえ込んだ。


「野生の勘が騒ぐぜ！コイツは山育ちだ！」


鼻息を荒くする伊之助の言葉に、不死川が「そうなのかァ？」とAに視線を向けた。


「あま？」


「やまだよォ。お前がいた所だ」


先程までの威嚇が嘘だったように、Aが可愛らしく首を傾げる。

その姿を目撃した善逸は、鼻血を出して失神した。


「お前らァ、何故ここにきたんだァ？」


Aに見せていた柔らかい表情を豹変させて、炭治郎たちを睨みつける不死川。

いつもそこで「ひぃ」と声を上げる善逸は失神しているため、この場にそんな不死川を怖がるものはいなかった。




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