【不死川実弥】風柱、少女を拾う。

じゅうご ページ15

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朝、目が覚めると、自分に"何か"が乗っかっているのが見える。


(まさか、Aか………!?)


「みゃ〜」


「おめェかよ！」


若干の期待を裏切られた不死川は、白いもふもふな生き物に声を上げた。

猫とAを間違えるとは、不死川も重症である。


「さねみ！みゃ〜」


すると猫を持ち上げて、Aがぴょこりと目の前に現れた。
伸びやかに猫の鳴き声を真似る。

その様子があまりにも可愛らしく、不死川は真顔でAの頭を撫でた。


「それは"ねこ"だァ」


「えこ？」


「ね、こ」


「え！こ！」


「ね、こ」


「んぇ、こ！」


「ね、こ」


「ね、こ！」


「そうだァ、ねこだ」


「ねこ！」


新しい言葉を覚え、Aは嬉しそうに猫に頬擦りをした。

猫も、「みゃあ」とご機嫌な様子で声を上げる。


「そういえばお前、猫は怖がらねェんだな」


「ちいさい！こわく、ない！」


成程、自分より小さい奴は怖くないのか。
不死川は納得して、立ち上がった。


「おい、その猫どうするつもりだァ？」


座っているAを見下ろす。

こうすれば、Aも多少は怖がると思ったからだ。

しかしAは、いつものようにニコニコと笑って口を開いた。


「いる！いっしょ！」


だめ？と自分を上目遣いに見上げるAに、不死川は溜息をついた。


(こいつには適わなェな、俺はァ)


「仕方ねぇ。面倒はお前が見ろよ」


「さねみ！ねこ！」


更に嬉しそうな笑顔になり、Aは猫と不死川に抱きついた。



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