シャケ右詰め短編集 に！

どっち？ kr＆T ページ1

side、sh

「シャークんごめん！今日の約束無理になっちゃった！」

きりやんから、そんな電話が来たのはつい先程のことだった
遊園地に行こう、そうダメ元できりやんを誘ったら意外にもあっさりOKしてくれて、現地集合ね〜なんて予定を立てたりしていた
普通に楽しみにしてたのに････
だがもう集合場所に来ていた俺はチケット代とか勿体なかったのでそのまま門をくぐり抜け、適当に遊園地内を歩く

「････････」

周りからの視線がすごく痛いほど刺さる
まぁ、ね。成人を迎えた男が1人で遊園地来てたら、そうなるよね
恥ずかしくなって、すぐそこにあった飲食店に入る
まだご飯時じゃないから全然人がいない････
いるとしても涼しみに来た人や、中に売ってるアイスを買いに来た人だけで
俺も誰か待ってるよアピールで携帯をいじる

「あ、通知来てる」

きりやんからメッセージがあった
が、正直俺はきりやんにちょっと怒ってる。ので
内容を見ずに無視する
ゲームでもやろうかな、そう思った時

｢あれ？シャークんじゃん！｣

聞きなれた声が聞こえて後ろを振り向くと、ラフな格好をしたTつぐさんと、半袖パーカーにジーンズのけいたさん、TシャツにダメージジーンズのKCさんがいた

「Tつぐさぁん」

知り合いに出会った安心感から 情けない声が漏れた

「1人？」

けいたさんにそう聞かれて愚痴をこぼすように1人になった経緯を話す

「可哀想シャークん」
「KCさん････ほんとに思ってます？」
「なんで！？」
「KCじゃ信用出来ないんじゃない？」
「あーー････ふっ」

いつものミナツドのノリに気分も少し晴れる

「あ、シャークん1人ならさ！」

思いついたようにTつぐさんがポンっと拳を手のひらで打った

「俺らと回んない？」

──────────

「ありがとうございました！」
「いいよ〜また遊ぼうね？シャークん」
「はい！」

「またねーシャークん。連絡よこせよ〜？」
「了解です」
「じゃ」

けいたさんとKCさんと別れてTつぐさんの元へと急ぐ
帰りまで送らさせてほしい、先輩だから拒否権なしね？なんて言われたら断れない
申し訳なさと嬉しさを抱えながらTつぐさんについて行く
帰りは、さっきまでの騒がしさが嘘のように静かに2人････なーんてことはなく、いつも通り、楽しく喋りながら帰った

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