Cinq-cent-dix-sept ページ36
『確かに、だいぶ変わってるだろうけど....』
流石に裏に巻き込むわけには...と
言いかけたら
「どっちも本人なんだろ？」
『...まぁ、ね』
Aもサクも僕だ
危なくないように分けただけで
すると
表情を一切変えずに、司は...
「だったら
表とか裏とか余計なこと考えなくても
全力で皿と向き合えるように、俺が相手になるよ」
『!』
「言ったろ?
俺も強くなったって
試してもいないのに、勝手に引っ込まないでよ
見つけるのは大変なんだから」
『...っはは』
泣きそ
...仮面しててよかったな
上を向いて、溢れるのを堪える
本当に...
遠月にいて...料理をしていてよかったと思う
恵まれてるよ、僕は
単純だけど
今なら何でも出来るんじゃないか、なんて
自分の中の感情が騒がしい
『元第二席が追っかけてる密猟者
...彼女に連絡するよう言って』
「って言うと...もしかして、編入生の?」
名前を出さなくても理解してくれたのか
コクリ、と頷く
日本はアキラに任せたけど
海外は元々リオが行ってくれる予定だったしね
『やりたい事があるんだ』
「幸平達は?」
『ノワール内部の事だから巻き込まない
そもそも僕だって気づかれないように
今まで頑張って来たんだからね』
「ふーん」
そう言って幸平の方を見れば
凄い勢いで調理をしていく
うん、やっぱりいい香りなのが
離れているここからでもわかるな
「そういう所はどっちも変わらないね」
『まぁ、恩返しだから』
「恩返し?」
『うん』
今の僕を作ってくれた、お礼にね
え？、とポカンとしてる司に笑っていると
丁度、幸平の皿も完成したようで
「げぇ、またアンタぁ?」
「まぁまぁそう言わず
お待ちどう!」
『お、どっちが勝つかな』
「聞いてたんだ、俺と幸平の会話」
『BLUEなのに何やってんだ、
ってツッコミ入れたくなった』
「それをいうなら、そのやりたい事だって
調理に関係ないんだろ？」
『まぁね』
隣にいる司と
現第一席の皿を見守る
初回でマイナス額を叩き出した幸平の皿
次、100ドルを越せなければ
アイツは不合格が決定する
『さて...今度は色がでたのかな』
「大丈夫だろ、僕らを負かした奴だよ?」
ｺﾄｯ、と置かれた皿を見ると
最初の御膳とは全然違って
今まで何度も見てきた、あの圧倒感が
再び現れて
「‘‘季節外れの必殺お節’’だ!」
『...へぇ』
「流石、幸平だね」
お重に詰め込まれた
栗、酢の物、出汁、などなど
それぞれの的確に調理をされた香りが
とても良いバランスで出来上がっていた
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blu (蒼)(プロフ) - 雑食の腐女子さん» 「あら、えりなばっかりじゃなくて私の出番もちゃんと見てってね」 (2021年11月1日 10時) (
レス) id: 55c7ca7037 (このIDを非表示/違反報告)
雑食の腐女子 - とても面白かったです続き楽しみにしています (2021年10月28日 9時) (レス) @page3 id: 1927aaa4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2021年10月27日 6時
