10eme livre Mort de cuisinier

Quatre-cent-soixante-dix-huit ページ46

ニコニコ顔で110番の電話画面を見せられれば
流石にヤバいと思ったのか



『おー、足はっや』

『ほなねー』


さっさと逃げていくナンパ野郎たち


『さて、試験時間とられちゃったね』

「い、いえ!!」

「別に、アタシら休憩中だったんで!」

『あ』



今度は吉野さん達まで逃げていってしまった
後ろで玖珂さん爆笑してるし



『あっはっは
ええとこ見せてくれるやん黒翔センセー!!』

『僕よりもっとかっこいい人いるでしょ
でも助かりましたよ』

『困った人は放っておけん主義でな』



御礼を言えば、気にした素振りのない玖珂さん



『結局十傑メンバーそんなに見れませんでしたけど
どうでした？』

『ん、弟君が啖呵切っとったから
黒翔君ビックリさせてくれるらしいで？』

『？』



ぐっと、サムズアップして笑顔を見る限り
やっぱりそこまで心配はしなくてもいいみたいだ



その時



「すみません、この地図の…このホテルを探してるのですが」

『あぁ、それでしたらバス出てますよ』

『このビーチ出てすぐやし、わっかりやすいでおっちゃん!』




どうも、とお礼を言われて
去っていく一人の男性




『あれ、が悪だくみねぇ…』

『ええ、今日から行動開始です』



やっぱり玖珂さんにはバレてしまったらしい


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夜


初日その後、特に大きな問題もなかった
そして今いるのは


「っくぁ〜」

『仮、の先生役お疲れさまでした』

「案外お前の先生姿にウケたわ」


遠月の生徒用に用意された
ホテルのバルコニー


「これからやっと動けるぜ」

『昼間、夕之介さんにもお会いしましたよ』

「つーか、其処に見えてる」



確かに、指さす先には
木の上に昇る黒マントの人影
今日はそこまで晴れているわけでもないし
紛れやすいだろう


人影の木が見ている視線の先には



「…幸平君？」

「お、おう
何してんだ薙切」

「いえ、別に涼んでいただけで」



気づくことなく会話をする
えりなちゃんと幸平がいて




「そういや、幸平昼間の事気にしてんのかねぇ…」

『何か言ったんですか？』

「もうすぐ薙切えりなは遠くに行っちまうよってな」

『ちょっと、めちゃくちゃはっきり言ってるじゃないですか』

「大丈夫だって!」



ノワールの、というより
アサヒさんの次の作戦は

えりなちゃんをここから攫う事



「アイツ来てんだろ？」

『ええ、リオが連れて行ってくれるはずですから
アサヒさんも戻られるんですよね？』

「おう、えりな姫とゆっくり話してくる」



僕は残って
暫くえりなちゃんの事を誤魔化さないと

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