10eme livre Mort de cuisinier

Quatre-cent-soixante-quinze ページ43

「嘘だろ」

「ヤバイぜ!?」



まぁそうだろうね
飲食店の売り上げ、って言うのは
コスト、回転数、今回は別だけれど人件費とか
いろいろ考えなければいけない

正直、1日20万前後が妥当じゃないかと思う



けれど、ここは遠月



‘‘「お黙りなさい!」’’



見かねて
僕からメガホンを掴み取った
えりなちゃんから喝が飛んだ


‘‘「店をお借りするのであれば
売り上げを下げる等もってのほか
きっちり上げてお返しせねば、遠月学園の名折れです!!!」’’



まぁ、卒業したから言っちゃうけど



『この位でつまづいてたら、卒業はもってのほか』


だってほら


「まぁまぁ、ビシッと300万……
稼ぎ出してやろうじゃねーか!」

「うむ」

「ノルマ達成したらビーチで遊んでも良いのかしら？」



既にやる気なのがいっぱいいるし
それを見たアサヒさんと


「っは、これくらいじゃな」

『まぁまぁ、十傑にはハンデありますから』



小声で会話を交わす
そして、幸平達のその様子を見た周りも
流石十傑、とか、頼もしいとか言っていて
本人たちも少し舐めてそうな顔だったけれど


‘‘「その点も考慮しているわ
十傑メンバーは6名で1チーム

そして使う海の家は....アレです!!!」’’



えりなちゃんのビシッと伸びた指の先



「廃屋じゃねーか...」



ちょっとだけ幸平達の歪んだ顔が見れた
アキラと視線がぶつかったけど、仕方ないだろ?、の意味で笑い返す


『ちょっと面白い』

「おいおい、ひでー先輩かよ」

『僕ヒラなのにハンデありでしたからね
なにより、多分染まったんですよ、アッチに』




アッチに、の意味は言わなくても分かるんだろう
すぐ納得したようにｸｽﾘ、とアサヒさんは笑うと



「んじゃ、コレ被っとけ」

『...アサヒさんのは』



ぽすり、と黒い日除けの帽子を被せられた
そして



「どうせお前移動でバテるだろと思って予備持ってきた」

『本当だから何も言えませんね』



揃った黒い帽子は
この明るい日差しの中、僕らを影に包んでくれて



‘‘「11:00より試験を開始します!」’’



「やるぜ?、フォルス」

『....りょーかい』


えりなちゃんの大きな声で散る生徒達

これから先、色んな意味で下手を打つわけにはいかなくなったな、と
深呼吸して気合を入れた



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Hayama side


アイツが笑ってたのはこう言う事か


俺達十傑の割り当ては
メインから離れた、尚且つ廃屋
少し離れた所では、もう他の店は営業してる


とにかく


「今日明日は捨てるぞ、最終日で追い上げるしかねぇ」

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