10eme livre Mort de cuisinier

Quatre-cent-trante-huit ページ5

アサヒさんのクロスナイブズ

長年大事にした道具には
魂が宿るとはよく言ったもので
その力はとても面白い


『たしかにアサヒさんのクロスナイブズも
触覚が武器っていうのは理解してますけど…』

「だろ？、
それに二人でクロスナイブズ使えたら
絶対その方が面白えじゃん!」


楽しそうに笑うアサヒさん
けど


『…アサヒさんが身につけた自分の武器
他人に使わせるって、嫌じゃないんですか?』


僕が気乗りをしない１番の理由がこれ

頑張って深めてきた自分の料理スタイル
その苦難を簡単に赤の他人に明け渡すのは…


すると



「他人じゃねえよ、義弟だし」

『!』

「あーだこーだ理由つける前に、
お前自身の考えはどうなんだ?、A」



そう言い
真面目な顔で此方を見てきた

僕自身か…



『…クロスナイブズ
使える様になればもっと料理が出来ますし
さらに、アサヒさんと調理した時
どんな皿が出来上がるのか

想像するだけで
楽しそうだな、と思います』

「じゃ、俺と同じは嫌だからか?」

『そんなわけないじゃないですか』



わかりやすい質問に
頭をゼロにして答えると



-ﾆｺｯ!


「じゃ、決まりだな!
俺がいいっつってんだから、ごちゃごちゃ気にしなくていいんだよ!」

『…わかりました
また特訓付き合ってくださいね』

「任せな、暫く日本にいるんだから
時間はたっぷりあるぜ?」




少しだけ、楽しみだ


ーーーーーーーー
その日の夜
先生の拠点まで戻ってきて
サージェさん達を手伝っていた



「フォルス、この件なんだが」

『あ、こっちに纏めてありますよ』

「助かる」



明日の夜にはイタリアを立つ
引っ越しの荷物も終わったし
手元にあるのは簡単な書類のみ


「ねぇねぇフォルスきゅん!
日本にいいコスメあるかしらん?」

『…知り合いに聞きましょうか?』

「助かるワ〜」

「…漢方」

『えぇ、僕の行きつけありますよ
案内しますね、觜汪さん』




「フォルス君、キミ本当に高校生かい?」

『夕之介さん…一応そうですよ？』

「随分…事務処理が早いんだね」

『慣れですかね？』



ノワールでも言われるとは…


不本意ながら身についた
書類捌きや事務処理は
まぁ、持ってて損はしないかな?


そのまま手元の書類を捌いていると
一枚の書類に目がいった


『…え』

「どうしたフォルス」

『サージェさん
結構重要な情報見つけました』

「…これは!」



そこに書いてあった一つの事実



“WGO特等執行官、薙切真凪”



…驚いた
日本て薙切家の影響力凄すぎない？

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