10eme livre Mort de cuisinier

Quatre-cent-soixante-quatre ページ32

「それより」

『ん？』


今度はリオが聞いてくる



「第一席は負けましたのね」

『あー…
もう知ってるんだ』

「今や遠月の顏ですもの」


どうやら三年生の方にも
話は広まってしまったようで



「やっぱり“まだ”早かったようですわね」

『まぁね
でも多分、城一郎さんも来るだろうし
BLUEまでの3か月ちょい、』

「問題はありませんわね
明日からの反応が楽しみですわ」



この先の話を廊下に寄りかかってしていると




「A」

『あ、もういいんですか』

「おう、お前の言う通りめっちゃ初心だった!
って、お前もいたのかよ!」

「いちゃ悪いんですの？
鈴木先生？」



後ろからアサヒさんもやって来る


「いーや？
遠月じゃ、張り合えるのはお前らだけだからな」

「貴方ここどこだと思っておりますの
…まさか乗り込んでくるとは」

「別にいいじゃん」

「こちらに迷惑かけないでくださいね
初めての女性にぐいぐい行くと嫌われますわよ」

「っは、
まぁお前はそうかもな」

『まぁまぁ、そこまでにしましょう
リオそろそろ授業だろ？』


流石にまずそうだったから口を挟む

自分の事を棚に上げるけれど
僕に関係しないとリオって大分変わるんだよな



「Aさん
旅行の約束、忘れておりませんからね!」

『分かってるよ、今度BLUE終わったらね』

「あんま引っ付いて落第すんじゃねーぞー」

「その時はAさんと店にかえりますわ」

『はい？』



去り際に盛大に爆弾を落として言ったけれど
とにかくアサヒさんもえりなちゃんを保健室に送り届けたようで


「お前この後は？、A」

『もう授業はありませんし
十傑に呼ばれない限りは時間ありますよ』

「じゃ、ひまだな!」

『…十傑はー』

「そんなの、教師権限で優先順位はこっちだろ」



うーん、と
笑ってしまう

ぶっちゃけリオもアサヒさんも自由人というか
似た者同士みたいなところあるよね


「ちょっと、退屈しのぎに勝負する前に付き合ってくれ」

『どこですか？』

「明日用の花屋」

『は？』


僕の返事もあいまいに
アサヒさんに引っ張られて
学外の方に向かう



「お前そう言うの詳しいだろ？
プレゼント用に選んでくれ!」

『えりなちゃんですか？』

「そ、」

『てか、僕詳しいのハーブなんですけと』



まぁでも
いくら薙切家のお嬢様といえど
日本の高校生の金銭感覚に慣れてないアサヒさんが選ぶよりいいかな


結局立ち寄った花屋で
アサヒさんが黄色いバラを選びそうになって
必死に止めることになったけど




『花言葉って知ってます？』

「しらね」

『…』

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