10eme livre Mort de cuisinier

Quatre-cent-trante-sept ページ4

Side you


多分、自分の中では
アサヒさんの位置付けは
似たもの同士で、たまに脆いけど
頼りになるお兄さんって感じだと思う


司や竜胆たちはもちろん仲良くしてくれて
すごい助けられてるし、ありがたいんだけれど

なんとなく、
まだ迷惑かけてはいけないって思ってしまって
アキラは僕より大変だったし
潤さんには色々迷惑かけてるからね


１番に浮かんだのがアサヒさんだった



『自分から話す事を覚えろって教えてくれたんで、
言ってみた、んですけど…』

「トップ君たちも知らねえの?」

『潤さんは知ってると思いますが
この場所に誰かと来たのは初めてですよ』



今回、もし叶うならノワールのサクで
BLUEに出るつもりだし
一度、遠月から離れて原点に帰りたかったんだ



すると



「これで、本当の意味で義兄弟だな」

『お互い話せる事は話しましたしね』

「…挨拶していいか?」

『はい』



嬉しそうな顔してくれたから
やっぱり話してよかったと思うし
僕自身も少し、気分が晴れやかになった

ーーーーーーーー


その後アサヒさんにも手伝ってもらって
簡単に実家の整頓をした後

近くのレストランまで降りてきて
軽い食事をしてた時だった



「そういえば」

『なんですか?』

「お前の能力って、指先の触覚だろ？」

『…多分?』

「なんで疑問系だよ!」

『表でも死神なんて呼ばれてるので、
分かんなくなってしまって…』

「ははっ、確かにな!」



表だと
遠月の暴走も相まって死神って呼ばれて

裏だと
たまたま先生が死神料理だったから、必然的に僕も死神料理なんて言われるようになった



『死神料理(ディッシュ・グリム)
先生曰く、使い手は五感の一つを失い
その分他の感覚が研ぎ澄まされ

本来なら五感を失って絶対に不可能な状況下なのに
どんな皿をも美味に仕上げる
人間じゃありえない料理って事らしいです』


「成る程な、
オッサンは視覚で、Aは味覚か」

『えぇ、僕が完全じゃないって言われるのは
まだ触覚と嗅覚の二つしか使えないからで…
精神的な加減は出来るようになったんですけどね』



先生から受けた説明をしていると



「でも触覚は今使えるんだろ?」

『はい』



何か今の話で納得できたのか
うん、と頷いたアサヒさんから
とんでもない言葉が飛び出した



「お前もクロスナイブス使えるんじゃね?」

『…は？』

「いや〜、だって俺のクロスナイブスの説明してやったじゃん?」

『いやいやいやいや』



何言ってんだこの人

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