10eme livre Mort de cuisinier

Quatre-cent-soixante ページ28

Rio side


「全く…勝手に何してるんですの」

“「あのヘタレにに強制される謂れはねぇんでな」”


授業の休み時間、
3年生になり、中々楽しい日々を送っていた矢先に
この男の要請電話


「言われた通り
一部はフィルターを抑えておきましてよ

おそらく堂島シェフあたりが耳聡いですし
先程いらっしゃったので」

“「ん、じゃあな」”

「次は着拒ですわ」



ギャーギャー文句垂れている電話を強制的に切り
スマホをホーム画面に戻すと


「あら？」


実家からの連絡に気づく
何かしら

メールを開こうと指を動かしかけた時



「おい、第一席が講師と食戟だってよ!!」


クラスの方が騒がしくなり


「早速やらかしましたわね…あの人」



はぁ、とため息が出る
まぁ…見聞を広めるいい機会ですわね
ちっぽけなこの箱庭で満足しないように

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Side you


「城一郎が負けた先日のNY、才波朝陽の他にもう一人いたらしいんだ」

『…仲間、というべきでしょうか』



ゆっくりと喋った僕に
おそらく、と返してくる堂島さん


そして



「俺が調べたノワールの内部構造
トップをはる才波朝陽

それともう一人、右腕であり
ノワールの中でも才波朝陽と同レベルと言われる

モルテ・ド・フォルセティ
サク・チェシタ」




いつ撮られたのか、
しっかりとマスクを被った見覚えのある顔の写真を取り出した



『それは…なんとも…
身近に感じる異名ですね』



苦笑しているように装うけど
びっくりだよね


『(なんでバレた!?)』


一応自分の情報に関しては最大限注意している筈なのに、まさか名前と異名の方まで調べられるとは
リオに頼んだ筈なんだけど…


『(でも、こんな驚愕を表情に出してはいけないね)』


アサヒさんにもこの前言われたじゃないか、と
頭に冷静さを取り戻させる


『彼が才波朝陽のアシスタント…右腕的存在としたならば、幸平の前に現れるであろう才波朝陽についていてもおかしくはない』

「あぁ、彼らは十傑とはいえ
まだ学生だ」



なるほど
堂島さん的には、後輩君たちを守りたい
ってところかな?



『わかりました、もし彼らが現れた場合
こちらの死神の方は僕が相手をしましょう』

「君に頼るような真似をしてしまって、」

『構いませんよ、僕でお力になれるなら』



すまないな、と堂島さんが謝罪を述べようとした時

開け放ったままにしたドアの外から聞こえて来る、一つの声


「第一席が負けたって!!
料理勝負でぶっ飛ばされた
らしいぞ!!」


「…幸平!?」

『マジか、』



やらかしたな、あの人

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