10eme livre Mort de cuisinier

Quatre-cent-cinquante-six ページ24

「なっ…!?」

「A!」


えりなちゃん達とアキラの焦った声がするけど
そんなことを気にせずにしっかりと抱き着いてくるのは


『(何も聞いてないぞ僕)』

「やっとだ…!」



今朝方まで一緒にいたアサヒさんで
どう誤魔化そうかと必死に頭を動かした


本来僕が遠月の様子をひそかに伝える予定だったんだけど
全くこの人は…

十傑が今探している張本人がまさかの遠月に乗り込んできた


すると


「っおい…!
何なんだアンタ」

「ちぇ」



アキラがようやくと言った感じで僕らを引き離す



「コイツ何なんだよA」

「お前がそれを言うのかよ…」



ヤバい、アキラとアサヒさんの仲がどんどん険悪になってる
どうにかしないと、と焦っていれば


「ｺﾎﾝ、鈴木講師」

「あーわりいわりい」



総帥のえりなちゃんが止めに入ってくれる



「それで、黒翔講師との関係は一体…？」

「あぁ、ソイツは…」


ちらり、と僕に目線を送るアサヒさん
つられてアキラやえりなちゃん達もこちらを見る


さて…




『…兄さん』

「はぁ…!?」



皆が驚きの声を上げる中
アサヒさんだけは、二ヤリと笑っていた


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Hayama side



「なっ…えぇ!?」

「兄弟…!?」



突然現れた鈴木、という新しい講師
聞けばAの兄だと？


「しかし、苗字が…」


シャペル先生が聞きずらそうに尋ねる


「いわゆる生き別れ、ってヤツでして…」


これが証拠、とAの手をつかむと
確かに二人とも似たようなバングルをつけてやがる


本当なのか…



「んじゃ、詳しい話は済んでますし
久々の本物の兄弟水入らずって事で」

『ごめん、アキラ
また後でね』



パタリ、と総帥室の扉が閉められる
確かにAにとっては本物の家族に会えたんだ




「葉山君、大丈夫かしら」

「あぁ、問題ねえよ」




久々に積もる話もあるだろ


“本物”、という言葉は
少しだけキツかったが



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side you



『いや、なんで来てるんです』

「いいだろ?、ずっと日本の拠点にこもってんのも暇だし」


此処が遠月かー、と楽しそうな顔で
廊下を歩く

時々生徒が見てるから
あしたから色々大変そうだ



『後でアキラにフォローいれておかないと』

「あぁ、確かにショックって顏だったな」

『笑い事じゃないですよ、咄嗟の機転を褒めてほしいくらいです…』

「裏じゃあんな分かりやすくしてるとアウト
忘れたら俺が思い出させてやるって言ったろ」


早速な!、と
笑われた

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