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Quatre-cent-vingt-deux ページ37

『ただいま……っ!!』



視界がぼやける
泣き顔なんて見られたくないから
せめてもの抵抗心で下を向くと


今度は制服のズボンの上に水が滴る感触がした


「…」


その間も潤さんはずっと僕の頭を撫ででくれていて



「ちゃんと見てたよ、
A君の食戟
いつの間にか十傑にもなって」

『…たったの数日間だけ、だけどね』

「それでも、お友達との約束守れたんでしょ」

『…うん』



いつもはおっちょこちょいで、
僕が面倒見ているはずなのに
今は、まるで母親に褒められている気分で


自分が小さくなったような感じがする



そして



「また、葉山君と一緒に研究手伝ってくれる?」

『…味覚オンチの僕でよければ』

「もう」



そう言うと、クスクスと頭の上から笑い声が聞こえてきて




ようやく
心残りは全部消えた




「でも、
負けたら汐見ゼミやめるなんて無茶はもうやめてね

何か行動を起こす前にちゃんと話す事!」

『…わかった』



という事は、
ノワールの事もいつか話さなきゃ




でも、今は



『…』

「あれ、
おーい…A君?」

『…スゥ』

「…寝ちゃったか、



よく頑張りました」





少し休憩して
また頑張ろう




ーーーーーーーーーーーーーーーーー
Hayama side


ようやく遠月に戻ってきた


Aも先に帰るって言ってたし
もうゼミに到着している頃だろう



「帰ったぞ…って」

「あ、おかえり葉山君」

「…どういう状況だよ、」

「いや、A君寝ちゃって…あはは」



帰ってきてみれば、
入口の前に座り込む潤と
その膝で眠りこけるA



腫れてる頬を見る限りじゃ
俺と同じく潤に一発叩かれたんだろう

そして、眠りこけたから潤が動けなくなった
…そんなところか



「運ぶか?」

「ううん、折角だから少し寝かせてあげよう
こんな穏やかに寝てるのは子供の頃以来だしね」



子供の頃、な
ふと気になった事を尋ねる



「なぁ潤」

「なに?」

「コイツはどういう経緯で拾ってきたんだ?」



俺が知っているのは
海外にいたコイツの両親が事故で亡くなり
それを潤が引き取ってきた、それだけ


今回の連隊食戟の時
最終日に話していたあのシェフとの会話を思い出す



「良い悪者のカップル、って聞いた事ねぇぞ」

「あー、そういえばそんな話してたね」



すると、
話す事にしたのか、詳しい事はAから聞けと
前置きを置いて



「黒翔君のお母さん、遠月の生徒だったんだよ」



ゆっくりと、喋り出した



ーーーーーーーーーーーーーーー
ちょいと豪の皿行く前に
オリジナルにお付き合いくださいませ
m(_ _)m

Quatre-cent-vingt-trois[両親過去編]→←Quatre-cent-vingt-et-un



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blu (蒼)(プロフ) - ぷるさん» 「どーも!!、漸くオレの出番なんで、ちゃーんと食ってってくださいよ!」 (2021年4月28日 8時) (レス) id: cb665f2842 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編おめでとうございます!これからワクワクして待ってます! (2021年4月26日 7時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年4月26日 2時

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