8éme livre Mort de 3éme année

Trois-cent-quatre-vingt-trois ページ49

『まだ決まってない…って』

「ええ、えりなさんはコース料理の仕組みから話そうとされてましたし、幸平君は理論より感情で動いてますから」


廊下まで言い合いの大きな声が聞こえてきましてよ？
と、リオが笑う



「ぶっはっはっはっ!!!、1日でコース仕上げるのに
５時間たっても担当すら決まってねぇとか!!」


先生はヒーヒー言いながら笑いまくってるし


『明日、僕の最後の試験が10:00スタートで
多分すぐ終わるだろうけど…』


もう夜の10:00を回りそうで
幸平君達の勝負まで残り12時間を切っている


『大丈夫か…？』



すると、


「心配ねぇよ、A」

『あれ、アキラじゃん』

「あら、こんばんは」

「よー、弟君」

「アンタ何で俺のこと知ってやがる」



廊下の先から現れたのはアキラで



「不本意ながらヘタレのお守り役だからな!」

「ヘタレ…？」

『余計なこと言わなくていいです』

「ったくこの爺は…、ほら!帰りますわよ!」



多分空気を読んだであろうリオが先生を引っ張っていき、広いスペースに今度は二人になった



『こうやってゆっくり話すのも久々だねぇ』

「今日はまた暴走するんじゃねぇかと思ったがな」

『あれ、見てた?』

「キレる所で久我先輩が呼びに来た」



久我くんも何とまぁ…悪いタイミングの時に



リオがいなくなって一人になった横にポンポンと手を置けばゆっくりと隣に座るアキラ


「あの秋津って奴…何だったんだ?」

『あぁ…そこは見てないんだ』

「久我先輩からの話しか知らねえから、
人づてじゃなくて、お前から教えてくれ」

『…なんか、はっきり言うようになったな』



幸平君の影響かな？と横にある頭を撫でれば



「ご、誤魔化してんじゃねぇ!」

『あぁごめんごめん、ふふ』


真っ赤な顔で払い除けられて
手を膝の間で組むと
隠してた今までの事を話し出した


選抜の後の事とか、

一年の連帯食戟とか

ゼミのデータ盗まれたとか

『まぁそんな感じで、秋津は人一倍頑張ってた分
ちょっと特殊な環境にいる僕が許せなかったんだろうねぇ…』

「…許してんのかよ」

『うーん…複雑』



ハンデの件は許すつもりはない
けど、もし退学になったとしても
生徒ではないが、僕は多分遠月にはいただろうし
って事をかんがえれば、


あながち卑怯者なのかな？って考えも確かにある


あぁ、なんかまた手寒くなってきた


『そりゃ料理人からしたら妬まれてもしょうがなくない？』

と言えば

「だからって、お前の努力を見てない奴らに流されて良いわけねぇだろ」


ぽん、と両手の上に暖かい手が置かれた

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