8éme livre Mort de 3éme année

Trois-cent-quatre-vingts ページ46

その後、試作を続け
二人とも納得いく所の範囲には持って行けたらしい


「うーー……明日作るコースはこれで完璧だな、」

「…」


調理をしながら二人の会話を聞いていれば
どうも司の返事が来ない


「司？」

「あ、ごめん…いいと思うよ」


その時の司は何か考え込んでいる様な感じの答え方で
少し気になったけど…
何も言ってこないって事は大丈夫か？


『とりあえず、こっちも出来たよ』



出来上がった皿を二人の前に置き
自分の分も置いて準備完了



「おっ！」「流石A」

『Saltinbocca di salsa acida(サワーソースのサルティンボッカ)』


Provalo(試してみて)、と言えば
二人の手が動く


サルティンボッカは結構有名な定番ルセットで
使われる肉は料理人次第だけど
一番有名なのは子羊肉かな

薄切りにした肉にプロシュットやハーブを乗せて
巻いたもの



『今回は豚肉と、ソースは今日の斎藤を見習って
レモンとオレンジでさっぱり系にしてみた』

「うん、香りや風味は流石としか言えないんだけど…」

「なんで豚なんだー？」


確か子羊じゃなかったか？
と、二人から質問が飛んでくる

流石


『勝負運とは少しズレてるんだけど
豚肉とか、オレンジとか…

イタリアじゃ縁起のいい食べ物なんだよ』

「へぇ、」

「そうなのか？」



オレンジは色やその形が太陽を連想させるといわれていてあらゆる成功の象徴、

豚肉は可食部が多いって事から豊かさ、とか多産をもたらす…だったかな？
新年は特に豚肉を食べて一年の幸せを願う家庭が多い、なんて言われる程



と、二人に説明を入れたら


「つまりはAからの応援って事かな」

「ははっ!、明日頑張れるな!!」

『…っ』


あっけらかんと口に出して言うものだから
こっちが恥ずかしくなるわ


すると、



「明日Aってどうなるの？」

『あぁ、薊さんから連絡来たんだけど…
司、僕の番号教えた？』

「え、まずかった？」

『いや、まずはないけど…』



相変らずだね、
少し苦笑しつつ答える



『FInal Boutの前にやるって』

「相手は？」

『たしか…ーーって店のオーナー』

「あ、其処提携が滞ってたとこだ」

『つまりは反セントラルか…』


適当に作った理由だけど
連帯食戟に混ざらない為、学外の人と戦って薊さんの
ダシに使われてやろうってスタンスで

結局僕の過去に関係ある人ばっかり呼ばれて
あやふやになっちゃったけどさ


まぁ、過去の事は今日で全部ケジメつけられたから
もう人がいないんだろう
実は薊さんが僕の過去の事を終わらせるために
わざと選んだり…


なんてね

Trois-cent-quatre-vingt-en→←Trois-cent-soixante-dix-neuf

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す