8éme livre Mort de 3éme année

Trois-cent-soixante-dix-huit ページ44

2日目の勝負も終えて、ホテルに帰ってきた

途中後ろから竜胆に追突されたけど
多分、女木島から連絡が入っていたから
そっちは任せることにしようか


で、今はと言うと


「コース二皿、か」

「どうするよ？」


二人のコース会議に参加させてもらっている
一応、相談役かな
そう考えないと僕がやってられないし


コース料理と一口に言っても
ーー料理、といわれるジャンルごとに複数のコースが存在すると言っていい


一般的に想像しやすいと言ったらやっぱりフレンチ
前菜、スープ、メイン、サラダ、デザート等
味や素材の変化を段階的に楽しんでいく、って言うのが普通で

少なくとも前菜とメイン二皿ってのはあまり聞いたことないな


一応さっき決まった限りでは
司がメイン、竜胆が前菜
本来の席順通りになって


すると、


「真の美食…か、なら…」

「おっ!」

『…スペシャリテ？』



聞けばコクリ、と頷く司


「お題の通りなら、これかな、って」


いい？、と竜胆に聞いている


「まっかせろ！、アタシがさいっこうの前菜作ってやるからよ！」

「うん、頼むね」



メインを司のスペシャリテにするなら
フレンチのコースになる


『フレンチの前菜って言ったら…
冷たい物でも温かい物でも何でもいけるし、竜胆にもピッタリだね』

「おう!」



その後、とりあえず一度作ってみるという話になり
それぞれが調理台で作業しているけれど



『なんで僕が味見…』

「だって作る側で決めつけるより第三者の意見欲しいよ」

「そーそー!、力貸せっつったろ？？」



半強制的に竜胆に連れて来られたようなもんだけどね

…まぁ本来審査員の人しか食べれないもの味わえるんだから、ラッキーなんだろうけどさ


二人の調理している後ろ姿を見ていると、
やっぱり僕も調理したくなってきて


帰ってきてそのままここに来たから
手元には包丁ケースもある

…よし


『二人とも夕飯食べてないだろ』

「あれ？そうだっけ」

「すっかり忘れてたな!!」

『司、調理台の端借りて良い？』

「構わないよ」



友達への応援って事で、
少しだけ目を瞑ろう


ーーーー



「A!、ちょっといいか？」

『ん？』



折角だしここで僕も夕飯済ませちゃおうと思って
三人分の調理をしていると
竜胆から呼ばれた



『どうしたの？』

「これなんだけどさー、もっと爽やかにしてえんだ」

『わー…』



其処に並べられていた食材は
インパクトが凄い
少し驚いた


でもこの組み合わせなら…


自分の荷物から一つの瓶を取り出す



『これ、ちょっと入れてみるといいかも』

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