8éme livre Mort de 3éme année

Trois-cent-soixante-dix-sept ページ43

「へぇ…面白そうじゃん」

「…あぁ」


勝負を終えた後だっていうのに
残った十傑側のやる気は十分


「テーマ食材は完全に自由とするが、
その代わり設けるお題は…

“真の美食”たるコース料理」



…あー、



前先生が言っていた
多分、遠月関係者じゃ僕しか知らない事



「何か異議は？
現総帥」



そう言って薊さんに尋ねる
総帥、いや…仙左衛門さん



「…いいえ、

異議どころか、素晴らしい趣向だと思いますよ」



一方の薊さんは嬉しそうだ



「司と小林がさらに織りなす組曲
それを勝負の場で味わえるなんて

何しろ僕の理想を体現している料理人が現十傑なのですから。

一方、

今のえりなでは「真の美食」は作り得ない

それを僕は分かっているのでね」


一つ思う事がある
真の美食、ってなんだろうね？

高級食材を使った事？
料理人が満点といえる事？
客が満足する事？


…僕はわからない、


明日の勝負を見ていたら、
答えが見えてくるのかな



「私は随分変わったと思います、
きっと作る皿も昔とは違いますわ」



えりなちゃんは分かっているのか、
面と向かって薊さんに対抗している



「えりなは家出までする不良娘になってしまいました

お父様が思っていらっしゃる

“良い子”の私では

もうありませんから」




今のはちょっと昔のえりなちゃんぽかったかも…




「思春期に反抗するなんてごく自然なことだよ
父として受け入れるさ

そしてセントラルに迎え入れる
君こそが料理人たちを正しく導くための“鍵”なのだから」



なんか、
色んな人の思考が入り混じって
もうお腹いっぱいって感じ



とりあえず、



『…薙切家も大変だね』

「ん？何か言った？」

『いや、なんでもない』



後、僕明日どうなるんだろう
まぁ一応何があってもいいように準備しておこうか




「では本日はこれにて解散とする
また明日、この場所で相見えよう


勝者こそが遠月の未来を決定する!!


心して掻かれ!!

若き料理人たちよ!!」



そんな仙左衛門さんの一言で
今日の連隊食戟は閉められた


「っしゃー、なら早速会議すっかー!」

「あぁ、」

『頑張れー』



明日全部決まる心配はあれど
やっぱり料理人として
この二人のコース料理となれば楽しみだし
向こうの幸平君とえりなちゃんのコースも楽しみだ

とりあえず、アサヒさんの方に電話しようかな



すると


ｰｶﾞｼ


「なーに言ってんだー？」

「え、勿論Aも来てくれるでしょ？」

『…僕関係なくない…？』

二人に腕をつかまれる


「ほら帰るぜー！」

『わ、わかったから引きずるな!』

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