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Trois-cent-soixante-cinq ページ31

ートッ

『よ…っと』

調理に近いところまで降りてくると
手すりに足をかけて、そう遠くない距離を飛び降りる

十傑側の調理台の近くまで行くと、
竜胆の声が飛んできた



「寝てなくていいのか!」

『もう大丈夫、それより今勝負だから調理台に意識向けて竜胆』

「いいだろ別によー!」

『いや相手のタクミ君に失礼だろ?』

「ちぇ、しゃーねーなー!」



そこで見てろ!っと一言残して
一層竜胆が鍋を振り調理に戻る
僕はというとその言葉を貰ったからには、
何も言わずに控室に戻るわけにはいかなくなった

『僕十傑になりつつあるとはいえ、此処にいていいのかなぁ…』

正直自分勝手が過ぎるような気がして、勝手に居心地の悪さを感じてしまう

すると、



「黒翔九席」

『まだ僕は九席じゃありません』


後ろからセントラルの関係者が声をかけてきた


「薊様からの指示です、此処で見てろ、と」

『…了解しました、許可を下さりありがとうございます、と伝えてください』

「承りました」


僕からセントラルの人が離れたのと同じタイミングで



「おらおらもたもたしてんなよアルディーニ!!
アタシが先に出させてもらうぜ!!!!」


丁度竜胆の皿が完成したらしい



そのままサーブをしに審査員席の方へ歩き出したとき



「!…見ろ!!」



『タクミ君も、完成か…』



その後ろには、出来上がった皿を運ぶタクミ君
皿からは暖かそうな湯気が立ち上っている



“「おおっと!
第二カードは、両者同時サーブとなりました!!!」”



お題はヤリイカ
一応イタリアのルセットとしては、思い浮かぶものはいくつかある
タクミ君はどうするか、と観察していたら




『…、』





「…、」




今度は対角線上の、
女木島と目があった


暫く視線がぶつかった後


ーチラ


女木島は竜胆に目線を向ける

ああ、なんとなく女木島も気づいているんだ


再び僕のほうに視線を戻した女木島を確認すると



ーフルフル

「…!」



ゆっくりと首を横に振った




僕は逃げた人間、
ソレをやる権利は、僕にはないよ

だからごめん




「まずは小林からか、ワインのリストを頼むよ、クラージュ」

「はぁい、薊様!」



今度は僕の方から目線を外すと、
どうやらまずはタクミ君のほうから審査するらしい

タクミ君のヤリイカがお題の皿は




『Calamari Ripieni(カラマリ・リピエーニ)…確かにこの季節にはピッタリだ』



Calamariはイタリア語でヤリイカ、Ripieniは詰め物ををさす
南イタリアでよく食べられる、いわゆる母の味ってやつ

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blu (蒼)(プロフ) - aiさん» 「はうっ!、来てくれて嬉しいけど…時間を忘れて遅刻とかしないようにね!?」 (2021年4月16日 9時) (レス) id: a91d8e524c (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - 初コメです。この頃見つけて読み始めたのですがとてもおもしろくて最初から時間も忘れて読んでしまいました。続き楽しみにしてます。 (2021年4月15日 6時) (レス) id: 3517e93929 (このIDを非表示/違反報告)
blu (蒼)(プロフ) - ぷるさん» 「フン、さっさと書けば良いのだ、駄作者が…!、さっさと私やアサヒ様を出せ」 (2021年4月4日 11時) (レス) id: cb665f2842 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 上手にかけてますよ!これからの行く末が楽しみです! (2021年4月3日 17時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)
blu (蒼)(プロフ) - (o^^o)ピコ(o^^o)さん» 「んもう!アタシもさっさとフォルスきゅんに合いたいのヨ!!、ちょっとー…悪戯しちゃおうか・し・ら」 (2021年2月21日 6時) (レス) id: a91d8e524c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月27日 1時

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