Trois-cent-cinquante-six ページ22
『あれは…ロールケーキか』
クマにウサギ、…ネコ?
色々な、ももらしいファンシーのイラストを生地で書いていく
でも
『あれ、一本って量じゃないよな』
「すくなくとも30−40本分くらいはありますわよ」
“「うそでしょ、どうなってるのあのスピード!」”
反逆者側の驚いた声が聞こえてくる
普通なら下書きしたり、
クッキングシートの下に下絵とか載せたりするよね
でも、
『ももは遠月一のパティシエだよ』
「月饗祭ほんと見事でしたわ」
『あ、山の手エリア行ったんだ』
「ちょこーっとサーチして来いとのウチのご命令でして」
自分の認識がすべての
常識じゃないんだ
『まぁ、ちょっとイライラ発散させたいのか、いつもより
手際が荒い気がするけどね』
“「飾り付けもかわいーく、かわいーく」”
『お、sucre tiré』
「あれ重いし力いるのでニガテなんですのよね…」
簡単に言えば引き飴、
高い温度の飴を引き伸ばして、均等に艶を加えることが出来るけど
伸ばしてる間に中間部が落ちてしまったり、均等にならないと
出来具合にかなり影響のでる
結構難しいテクニック
「あのちっこい手でやるのは流石十傑ってか」
「まるでショーですわね」
会場に高揚感を持たせ、
パティシエ特有の甘い香りには人々の脳に幸せをもたらす
加えてあの可愛い仕草
『ももの食戟ホント空気持ってかれるよ』
「残党潰しの際にさんざん見ましたわ」
そして出来上がったのは
“「4th Bout!
一番最初に実食へ入るのは茜ケ久保先輩の品のようですーー!!」”
“「完成だよーーー」”
『もはやワゴンって…』
巨大なロールケーキの城
その見た目はまさしくおとぎの国の夢の城
“「きゃー!かわいいー!!」”
“「夢の国のお城みたいーー!」”
「流石かわいいの女王様、」
「まぁ胸焼けしそうな…」
審査員の方もまさか城が来ると思ってなかったのか
“「慎ましさのかけらもないスケールじゃないか!」”
皿って言っていいのかわからないけど
第一印象はすさまじい
そして、肝心の味も
“「何だこの上質な食感と甘美さはーー!!」”
“「フォークで押すとふっわふっわと押し返してくる!」”
“「なのに食べるとそのくちどけは舌の上に霧雨がそっと降るように
柔らかく優しい!」”
“「何より、この奥深く染み渡るような甘さはなんだ!」”
“「その答えはこれだよ…」”
そう言ってももがドスっと審査員席に置いた調味料は・
『あぁ、塩キャラメル』
“「醤油?」”
醤油の一升瓶
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blu (蒼)(プロフ) - aiさん» 「はうっ!、来てくれて嬉しいけど…時間を忘れて遅刻とかしないようにね!?」 (2021年4月16日 9時) (レス) id: a91d8e524c (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - 初コメです。この頃見つけて読み始めたのですがとてもおもしろくて最初から時間も忘れて読んでしまいました。続き楽しみにしてます。 (2021年4月15日 6時) (レス) id: 3517e93929 (このIDを非表示/違反報告)
blu (蒼)(プロフ) - ぷるさん» 「フン、さっさと書けば良いのだ、駄作者が…!、さっさと私やアサヒ様を出せ」 (2021年4月4日 11時) (レス) id: cb665f2842 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 上手にかけてますよ!これからの行く末が楽しみです! (2021年4月3日 17時) (レス) id: 39613b56f2 (このIDを非表示/違反報告)
blu (蒼)(プロフ) - (o^^o)ピコ(o^^o)さん» 「んもう!アタシもさっさとフォルスきゅんに合いたいのヨ!!、ちょっとー…悪戯しちゃおうか・し・ら」 (2021年2月21日 6時) (レス) id: a91d8e524c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 | 作成日時:2021年1月27日 1時