8éme livre Mort de 3éme année

Trois-cent-soixante-sept ページ33

さて、そんなタクミ君の評価は、というとまたリオとかがキレそうな評価のやり方をした
デコラさんとなぜか食べていないクラージュさん
の二人は置いておかせてもらって…



「いやはや、思った通り
見事な味わいだった」

『へぇ…』



薊さんまで褒めるんだ
やっぱり…


『…やり方を考えれば』


ここじゃあ声をあげて言えないけれど
今の状況は…竜胆も、司も、皆苦しんでる

僕は敵対してでも
面と向かって言ってただす勇気がないから
逃げて、自分の問題に集中する、という道を選んだけど



『早く、また戻れるといいな』



なんて、そう思ってしまう



「薊総帥まで絶賛してる!」


敵対する薊さんまで褒めるような言葉を使うから
反逆者側では、少しだけ希望が見えたのか
沸き立っていて


けれど



「さて、前座は終了
真打の登場だ」



今度は竜胆の番



サーブされた竜胆の方の皿を会場カメラが撮って
観客席用の大きなモニターにその料理がアップに映る


あれは…


『Causa(カウサ)…か』


審査員の人たちが実食をしている間
モニターを見ながら観察してた


ジャガイモの生産が5000種類程も超えるらしいペルーにおいて
現地の言葉で「生命の食べ物」なんて言われ
何か神秘の力がありそうな意味を持つ
ジャガイモの言葉を期限とする一皿

おもてなしの一皿としても有名で
確か、グリーンレモンとかさっぱり系のスパイスを使い、誰でも食べやすく、また表面の飾りつけも美しく仕上げるのが一般的

勿論竜胆が出してきたカウサもソースや表面の飾りつけがとてもきれいな
2nd boutの時の力強さとは一風変わったおしゃれな皿


でも


竜胆の皿はおおらかで思い切ったパワー系って言うのが個人的な料理の色の筈…
勿論他のジャンルが作れないってわけじゃないけれど

珍しいな、なんて考えていたら
僕の鼻にうっすらと感じた一つの香り…



『ヤリイカに混ざって、なんか別の魚の香りがする、オーソドックス系じゃあない…』


僕としては自分の考えをまとめたいから
ぶつぶつ呟いていたんだけれど
流石というか、何故、というべきか
竜胆の耳に届いていたみたいで




「さっすがAーーー!!」



くりん!っとこっちに首を向けてきた



『り、竜胆きこえてたの…』

「え？この距離だぜ？」


聞こえないわけねえだろー！と笑う彼女
流石アマゾンとかに行っているだけあるわ…

すると


「A君のいうとおりだね」


僕と竜胆がしゃべっている間に薊さんの説明を聞き逃していたのか
薊さんの声が飛んできて
その後を引きついだデコラさんが続けて聞いてきた

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