Le rêve de Mort【t.w.s.t.×食戟のソーマ】

1 Le jour où j'ai sauté sur le monde [世界を飛び超えた日］ ページ2

Side you


目の前の先生が僕のカルテを見ながら話す




「後天性の味覚障害だと思うのですが…やはり、治りませんね…」

『そうですか…』

「当時はストレスだと診断されたんでしたよね？」

『ええ、しかし、もう10年近くの事ですから。慣れました』




お礼を返して、診察室を後にした





『はぁ…』




学園への帰り道、思わずため息が出てしまう
こんなやり取りを繰り返して、もう何度目だろう

在学中は忙しくて気にすることはなかったけど、最近アキラ達に言われてきちんと治療をしてみよう、という話になり、何度か通っているが、思うように結果は上手くいかない

関係するのは自分だけなんだけど
アキラや潤さんに期待をさせてしまっている分の罪悪感も少しあって、




『ちょっと、足が重いや』





すると…





-ｿﾞｸｯ




『！、まただ』





最近誰かに見られているような視線を感じる
総帥のえりなちゃんの厚意でしばらくSPとかについてもらったりもしたんだけど
特に不審者とかの影は見当たらなかった

一体何なんだろうね



確認したくて
少し周辺をキョロキョロしていると、突然スマホが震えた




『誰だろ…、はい。』

“「もしもし、黒翔さん！？」”




電話の相手はえりなちゃんで、何だか少し慌てたような…、パニクった感じの様子、どうしたんだ？




“「今どちらにいらっしゃいますか⁉」”

『え？...病院行って、丁度ゆきひらのあたりだけど…どうしたの？』

“「今すぐ葉山君を迎えに行かせますから、そこから動かないでくださいね！」”




ブツッっと、一方的に電話が切れる
僕の方と言えば、訳が分からず立ち尽くしたまんま




『とりあえず、アキラ待ってようか』




でも本当にどうしたんだろ…？






ーーーーーー




その後
20分とか…それ位経って、薙切家の車に乗ったアキラが迎えに来てくれた



「待ったか？A」

『ありがとー、って言いたいところだけど…どうしたの？』

「さぁ、俺の方も突然言われたからわからねえ」





どうやら、詳細を知っているのはえりなちゃんだけみたいだ、




『なら、とりあえず帰ろうか』

「あぁ、行くぞ」

「えりな様より、総帥室に向かうよう仰せつかっております」






先に車に乗り込んだアキラに続いて僕も薙切家の車に同乗させてもらう





そんな僕らの様子を







「フムフム、まさか死神がこちら側の世界に潜り込んでいたとは、やはり彼で間違いないようですね！」





今の僕じゃ信じられない方法で“空から”見ていたなんて
まだ、気付かない

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