13éme livre Mort de cuisinier

Cinq-cent-quatre-vingt-trois ページ4

『さて、お題が無とは…』



やっぱりWGOは
何かしらの裏工作やってんじゃ
ないだろうかってくらい

僕にピッタリなものを出してくる





「…っ！」




対面の調理台では
えりなちゃんが見た事のない顔をしていて







「神対決…！」

「一体どちらが！」






『…』










薊さんじゃないけれど
ちょっと…
疲れちゃうよねこれは









『ねぇ、神の舌』

「！」







僕が声をかけると
ｷｯ!、と鋭い目で睨みつけてくる彼女





『ふふ、やだなぁ
君神の舌って名前じゃないだろ？』

「うるさいわね…！」






連隊食戟のあのfinal boutは
薙切えりなの皿だった





あの頃から、先生に教えてもらって
僕は全部知ってたんだ







『君がお母さんみたいになるのは
もう変わらない未来だよ』

「っ、なぜそれを！」

『あれ、あの人言ってなかった？
調べたんでねって』

「っ！！」

『まぁ、勘違いしてくれた
総帥とか堂島さん達から
全部聞いてたんだけどさ』






ｷﾞﾘ、と歯を食いしばる彼女を見て
どんどん頭が冷えていく






『ねぇ、神の舌
味がわからないって
想像した事ある？』







みんなみんな神の舌神の舌って
ちょっと、うるさいよね






「一体何の話かしら…！」

『つれないなぁ
お話ししようよ

…もう、最後になるかもしれないからさ』










-ｶﾁｯ







丁度火入れを終えた鍋の蓋を開けると
仕掛け通り、






-ﾌﾞﾜｯ








「「「！！！」」」




「クッサ！！」

「え、辛くね！！？」

「甘いだろ！」








会場が、狂い始めた







「っ！」

『あっははは！
食べ比べしようっつったって
こんなうるさい中じゃ集中できないんだよね僕！』

「一体何を！！」





WGOの方も
ゲテモノでも作ってんのかと
一瞬、僕を止めに来たみたいだけど







‘‘「やめよ、調理時間はまだ終了しておらぬ」’’






「！、ブックマスター」

『あは、やっぱり出て来た』





制止をするのはブックマスターで

そりゃ当然だよね
地球上になかった皿なんて求めてる人なんだから
このあり得ない状況に、
希望を見たのかもしれないけど







『あいにく、
貴女の夢なんかに興味はないんです』

「！…アンタなんて事を！！」

‘‘「なんじゃと？」’’







ようやく、溜まってたものを吐き出せた







『この現代社会において
異能なんてオカルトチックな力
あるわけないでしょ』





いつからここはそんなお遊びの大会になった？
そんな事なら僕は来なかった

Cinq-cent-quatre-vingt-quatre→←Cinq cent quatre-vingt-deux

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す