2eme livre:Mort de 3eme année

Cinquante neuf ページ14

Side you

竜「じゃあよ！ 明日その転入生の学校案内があるんだけどな、Aやってくれねーか？」

『え？もう来るの？』

竜「あぁ、知り合いが案内したほうが初対面のやつより安心するだろ？」



うーん、気持ちは分からなくはないんだけど…


竜「いいよな、司？」

司「え？…あぁ、いいと思うよ。お願いしてもいいかなA？」



あれ？


『司？ どうかした？』

司「…いいや、何でもないよ？」



なんかいつもと違う気がするんだけど…
書類で疲れたか？



『ちょっと待ってて、竜胆、調理室借りるよ！』

竜「？..おう？」



執務室を出た






(竜「なーに作ってくれるんだろうな？ 司？」)

(司「Aはいつも俺たちのことばっか気にしてくれるけど…」)

(竜「司…？」)



--------------------------------



『お待たせー、少し休憩しようか』

竜「お！ いい匂いだな！」

司「これは…コロネ？」




『違うよ、僕が持ってきたのは』




cannolo(カンノ―ロ)
小さな筒を意味するイタリア語からきたお菓子で
小麦粉ベースのクレープみたいなものを筒状に揚げた後、
中に甘めのリコッタチーズや様々なものを混ぜたクリーム状ものを詰めたお菓子
作る側によっては砂糖漬けのフルーツとかいろいろ入ってるよ



『紅茶もセイロン系を持ってきた、司も疲れたみたいだし竜胆も食べるだろ？』

司「…ありがとう、A」

竜「当然！」



机の書類を片付けて、カップや皿を並べた




竜「良い匂いだな〜！紅茶これ、Aのオリジナルか？」

『うん、セイロンにオレンジピールとバラ、コーンフラワー、シナモンをくわえたやつ』

司「落ち着くな…」



ぱっと見の印象だけど、さっきより司も竜胆も和んでいる様子に見える



『オレンジピールは疲労回復、バラは精神安定、コーンフラワーは目の炎症に効果的、シナモンは精神を元気にする効果が期待できるからね』



うちのアキラがいつもシナモンスティック携帯してるし、




司「さすがスパイスといえばAだね、」

竜「ふはー！ 和むな！」

『ふ、竜胆おばあちゃんみたい』



野性的に活発な竜胆が縁側でお茶を飲むおばあちゃんに見えた
…のは内緒、



竜「で！ こっちのお菓子は」

『今回は中身のクリームにマラスキーノ・チェリーっていう甘めの果物を砂糖漬けにしたやつと、シチリア地方のワインのマルサラ酒、無糖のココアパウダーで苦みを入れた。
Provarlo?(食べてみて？)』

Soixante→←Cinquante huit

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す