ライに溺れて4

拾捌 ページ19

なんと、私はまる3日寝ていたらしい
声もカサカサになるよね

手首は縫われていて、抜糸まで1ヶ月以上かかるらしい
どれくらい掛かるかは経過観察で決めるそうだ

私が起きたのは11時頃でそこから検査が始まって
検査が終わったのが2:30頃
輸血による感染症の心配も無く、貧血を除けば左手首の傷があるくらいで薬やアルコールの影響も無かった
血を失いまくったお陰で身体に影響を出さ無かったらしい

あと数分でも止血が遅ければ助からなかったと言われた

奇跡だと

看護師「傷が深いので、化膿しないように、それと重度の貧血があるため暫く入院です
入院に必要な物を持って来る方は…？」
沖矢「私が持って来ますよ」
看護師「それでは、こちらが一覧です
優しい彼氏さんがいらっしゃって良かったですね」
私「彼氏じゃな…」
看護師「それでは、何かあればナースコールでお知らせください」

看護師さんが病室を離れて、沈黙が降りた

私「…」
沖矢「…」

き、気不味い…

私「あ、あの…」

誰なのか、どうして私の面倒を見ているのか
色々聞こうと意を決した時…

Σダダダダダダッ
Σバタンッ

院内を走る足音とそれを注意する看護師の声
賑やかな音共にその人は現れた
何も言わず、私の側まで歩いて来たその人は…

パシッ

無言で私の頰を張って、静かに涙を流していた

有希子「バカッ！Aちゃんのバカッ！
死のうとするなんて！何考えてるの！
とっても心配したんだからね！
自分を傷つけようとなんてしないで！」

馬鹿、バカ、ばか…
と言いながら私を思って泣いてくれる有希子さんに自然と私も泪が頰を伝った

有希子「ごめんね、ほっぺ痛かったでしょ？」

優しく頰を撫でる有希子さんの手は優しくて温もりに溢れている

有希子「Aちゃんが生きていて良かった」

私の頭を優しく抱き寄せて頭を撫でてくれる有希子さん
あぁ、私はなんて失礼な事をしたんだろう
有希子さんはこんなにも私の家族で居てくれたのに
有希子さんだけじゃない
工藤一家はこんなにも私の家族であろうと側に寄り添ってくれたのに

私「ごめんなさい…
心配かけてごめんなさい………
お母さん」
有希子「！！」

私はやっとその敬称を呼べるようになった

その時の有希子さんの驚いた顔と、嬉しそうな笑顔を私は生涯忘れないだろう






沖矢さんはいつの間にか部屋から姿を消していた

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