ライに溺れて4

拾陸 ページ17

お母さん、お父さん…！

そこに居たのは両親だった

母「A、大人になったわね。美人よ？」
父「お母さんの娘だから美人に決まってるだろ〜
お父さんの小説のモデルにしたいくらいだよ
お父さん的にはいつもの大人っぽい格好も好きだけど、女の子っぽいスカートとかも来て欲しいなぁ。
それから、Aは…
母「はいはい。お父さん、そこまでよ。
あんまり時間無いんだから」
父「はぁ〜い(ショボーン」

いつも通り過ぎる両親のせいで空気が完全に緩んだ気がする

母「…A、お母さんもお父さんも貴女をずっと見守ってるわ。
貴女は1人じゃ無いの」
父「そうだよ。A、お前には2人目の親がいるだろう？普通は親なんて1人ずつなのに2人ずついるなんて得してるんだ。
工藤さんの娘でもあるんだよ
お前もそろそろ認めなさい」
母「多分、工藤一家の一員じゃ無いなんて思ってるのはAだけよ。しっかり馴染めてるし、Aは(名字)家の一員であり…工藤家の一員でもあるの。
裏切りでもなんでも無いの
貴女の家族が増えただけよ」
父「すぐには無理かもしれない。でも、歩み寄ってみなさい
彼らは絶対に受け止めてくれるから」
母「…そろそろ私達もお別れね」

両親の体が少しずつ光り始めていた

母「ねぇ、A
貴女が思ってるほど現実は残酷じゃ無いわよ」
父「騙されたと思って勇気を出して起きてごらん」
母「素敵な家族が待ってるわよ」
父「お父さん、結婚式楽しみにしてるから！可愛い薄いピンクのドレスをお色直しで着てくれるって信じてるから！孫は3人以上ね！
それから…」
父・母「「A、愛してる。精一杯生きなさい」」

両親は言いたいことを言いたいだけ言って光の粒になって消えてしまった
両親には私の心の奥の悩みがバレていたみたいだ
敵わないなぁ…

“愛してる”

両親の言葉が胸に暖かく沁みた

あれ？でも、結婚式って何？？結婚の予定なんて…

？「………」

何処か遠くで誰かの声が聞こえた

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