ライに溺れて4

拾伍:主人公 ページ16

不思議な夢を見た
幸せな夢だった

新一は高校生で隣には蘭ちゃんと園子ちゃんがいて
明美さんと志保ちゃんが並んで談笑してて
服部君の隣には和葉ちゃんがいて手を繋いでる
有希子さんと優作さんがいつも通りイチャついてて
小五郎さんと英理さんがちょっと喧嘩しながら…

皆んな笑ってた

私の隣には秀一さんが居て
あぁ、コレが天国なのかな
私たちが望んだ未来の姿がそこにあった

秀一さんが眩しいものを見るように目を細めて微笑んだ
その笑顔が優しくて愛おしくて

ジッと見つめていたら秀一さんと目が合った

秀一「 」

え？なに？聞こえないよ

秀一「 、 」

とても穏やかな顔の秀一さんが何か言ってるけど音は耳に届かなくて
なんて言ってるか分からないよ

秀一さんが優しく私を抱きしめて、耳元で囁いた

秀一「A、もう目を覚ませ。
ココが現実じゃない事くらい分かってるだろう？」

やっと聞こえた声は私を地獄へ突き落とすような言葉だった
なんで？
ここには皆んながいる
秀一さんがいる
皆んな笑ってて幸せなのに

悲しい顔をした秀一さんが私の頬を撫でると光の粒になって消えた
秀一さんが消えると共に皆んなも明るい光になって消えてしまった

待って！
行かないで！
置いて行かないでよ！
1人は嫌だ。1人は寂しい。1人は…
1人は、怖いんだよ







？「A」

背後から、とても懐かしい、それでいて聞き慣れた温かい声がした

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