81.『迷うな、己の道を他人に問うな』 ページ10
ある天気の良い朝早くに
ランカの私室に届けられた1枚の手紙
珍しく目が覚めたランカはその手紙をゆっくりと読み始めたのだった
『カイト、今日午後から留守にする』
「またいきなりですね…どちらに？」
『…友人が、茶を飲もうと珍しく手紙なんぞ寄越してきたからな』
「へぇ〜…」
『明日になる前には帰る』
「分かりました。お気を付けて」
仕事も比較的落ち着いていたからか
カイトも特に引き止める事も無く
ランカは私服に着替えてジェットスキーで海を走り抜けた
辿り着いたのは砂漠の都 アラバスタだ
『やぁ。わざわざ出迎え感謝するよ。ミス・オールサンデー』
オ「サーの特別なお客様だもの…こちらへ」
そう言われて通されたのは
クロコダイルの私室
ミス・オールサンデーが立ち去った後
ノックもせずにランカは扉を開けたー
そして、2人は今向かい合って紅茶を飲んでいた
鰐「わざわざ来てくれるたぁ、思ってもいなかったな」
『友人が珍しく手紙なんぞまどろっこしい手段で誘ってくれば、俺も気になっちまうだろうが』
鰐「…成程な」
紅茶を飲むその姿さえまるで1枚の絵画の様な気品溢れる美しさに
クロコダイルは無意識に目を細める
鰐「…もし、お前が王家の人間だとしても。不思議がる人間は誰一人居ねぇんだろうな」
『…いきなりなんだ』
持っていたカップを静かに置くと
真っ直ぐクロコダイルを見つめるランカ
そのナイルブルーの瞳に何時も呑まれそうになるのをクロコダイルは少しだけ恐ろしく思ってもいた
鰐「所作一つ一つに気品があり、違和感も感じねぇ。なるべくして完璧になった…と思ってな」
『…完璧な人間なんてこの世に存在しない』
足を組んで、背中のソファにもたれ掛かるランカ
クロコダイルはその姿をただ見つめる
『もしも、完璧な人間が居たとしたら…そいつは世界一不幸だろうな』
鰐「…なぜそう思う」
『完璧程退屈でつまらないものはないからだ』
鰐「…」
『人は、生まれてから無いものを求める為に生きようとする。それは金や地位だったり、愛情や友情だったり。生まれながらにそれら全てを兼ね備えた人間は…なんの為に生きる？他人にそれらを分け与える為か？…それは人間じゃねぇ。それが出来ねぇから人間は争うんだ』
クロコダイルは、ただランカを見つめる
ランカはそこで言葉を止めたあと、クロコダイルに向き直る
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カナタ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます！実は最初の頃からここらへんは考えてたシナリオなので漸く出せた…と言った所です！これからもどうぞ宜しくお願いします！ (2019年3月3日 22時) (
レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - あぁここに来ての新事実！カイトォォォ！切ないィィィ！って思いながら毎日読んでやす。 (2019年3月2日 23時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！いつもありがとうございます( ..)こちらこそこれかもどうぞ宜しくお願いします！ (2019年3月1日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - 梨花さん» コメントありがとうございます！作者弱ペダはあまり知らないため、小ネタ程度になりますが……それでも宜しかったら暫しお待ちくださいませ！ (2019年3月1日 22時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - いつも楽しく読ませてもらってます！これからも頑張って下さい。応援しています！ (2019年3月1日 21時) (レス) id: b72d70af69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナタ
| 作成日時：2018年9月1日 23時
