【ワンピース】ドS中将は自由人【逆ハー】part4

62.「ミステリアスな人だなぁ…」 ページ36

あのバスターコールから1週間後

カイトは海軍本部内の書庫へ来ていた

「えぇ〜っと…」

"悪魔の実 全集"

"海に嫌われた男"

"悪魔の食物"


パラパラと悪魔の実全集を読んだ後

ふぅ…と溜息を零しながら閉じる

「無いなぁ…」

そう、彼はランカの悪魔の実について調べていたのだ

しかし、幻と言われるだけあって全集は勿論

似たような本にも記事にも載っていなかった

「というか、あの人って結構ミステリアスなんだよなぁ…」

この前の遠征でやっと分かったのは

ランカが悪魔の実の能力者であるという事


「なんだっけ…ロギア系"ウミウミの実"…あれ？ロギア系…？」

ふと、ランカは思い出す

ロギア系とは、ものにもよるが煙や砂など大体は普通の攻撃は無効化してしまう

覇気を纏うことでロギア系には攻撃が与えられるのだ

しかし、カイトはかれこれ5年の付き合いのランカが攻撃を受けた姿を何回か見た

体をロギア系特有の変化をさせた所を見たことが一度もなかったのだ


「…変化しないロギア系…でも、海を使うのなら海水とかじゃないのかな…んん…？」

数少ない情報と

自分の拙い想像力で形を作ろうと考えるカイト

そして目に入った本を手に取る


"海に囚われた男"


パラパラと捲っていく


ー海に囚われた男は

ただ踠き空を目指した

焦る手は思う様に水を掛けない

だが、ふと気がついたのだ

自分は溺れているのではなく

包まれ守られているということにー




どうやら、詩人が書いたようなファンタジー作品に期待が外れたように溜息を零すカイト

そして本を本棚に戻したー


「あぁぁ…見つかんないなぁ…というか、本当にそんな実があるのかな…」

『何をしている、カイト』

「っみぎゃぁぁぁぁ！！？」


いきなり背後から話しかけられ、大声をあげ後ろを振り向くカイト

そこにはいつもより少しだけ不愉快そうに眉を顰め立ち尽くすランカがいた



「いいいいつからそこに！？」

『ついさっきだ。切羽詰まったあほ面を晒していたから声をかけただけだ』

「えぇぇ…」

『何を探している？』

少し迷った後、答えるカイト

「悪魔の実について…調べてました」

『…ほぅ、俺の実について気になるか？』

「そりゃあ…気にならない方が可笑しいですよ」

ランカはカイトの背後に目をやる

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