その2 ページ9
そして、いつのまに用意したのか
グラスに赤ワインを注いで軽く口付ける
『いいか、スコッチ。お前はこれから組織とはなんの関わりも無い公安の男を演じなくてはならない。例えどんな幹部に出会っても、どんなふうに詰め寄られてもだ』
ス「………」
『この部屋を出た瞬間から、お前と俺とライは見知らぬ他人。上手く生き分けろよ』
クイ、とワインを煽るアレクに
スコッチはギュと資料を握る
ス「…ここまで、してもらったのに…俺は何も返せない」
『まだ言うか…俺は見返りを求めた訳でも、ましてやお前の為にお前を救った訳でも無い。俺は俺の目的の為にお前を生かしたんだ。精々その命大事に使え』
ス「あぁ…だから、俺、アレクの所に住む!」
ラ「…は?」
『…あ?』
何かを決意したような強い目に
アレクもポカンとほうける
ス「俺、アレクの身の回りのお世話するよ!少しでもアレクの役に立ちたいんだ!」
『………要らねぇ。第一、俺とお前はこの部屋出たら他人だと言っただろう。お前に秘密があるように俺にもある。お前を手元に置いておく理由もメリットも無え』
ス「でも、俺諦めないから!何かあれば俺を頼ってくれよ!」
吹っ切れたようにニコニコ笑うスコッチに
アレクは頭を抑える
『…(こう言うお人好しのくせに押しの強いところが、あのアホ犬に似てるんだよなぁ)』
何処かで、カイトがくしゃみしたのは誰も知る由は無かった
それぞれ方針を決め、ライは組織への報告の為部屋を出る
スコッチはこの部屋に泊まらせて
時間が経つとアレクもホテルから出る事に
ス「…これで、アレクとはお別れだな」
『…そうだ。気を付けろよ?次会ったら俺はお前を始末するかもしれん』
ス「…あぁ。分かっている…だから、次はアレクじゃないアンタに会いに行く」
『!…ふふっ、楽しみにしている』
そう言って、出て行ったアレクの笑顔を
スコッチは忘れられずにいるのだった
薄暗い明け方
道を歩きながら空を見上げるランカ
『…さて、バーボンはどうしてやろうか…』
その呟きは朝霧に溶けて消えて行ったのだったー
NEXT コナンズ ヒーント!
''珈琲''
「次回はデートするんですって!?」
『デート…?珈琲見に行くだけだが?』
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たろ。(プロフ) - 作者さん他作品でも思ったけどめちゃくちゃ語彙力あるな…ドS要素減ってきてるけど…面白いので更新楽しみにしてます (2022年6月19日 14時) (レス) @page4 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - コナンの世界でもカッコよく生きるのが素敵すぎます!!更新再開の予定はあるのでしょうか?楽しみにしてます!! (2021年7月12日 15時) (レス) id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
月切 蛍(プロフ) - とっても好きな作品です!無理の無い程度で更新頑張ってください!! (2021年3月26日 17時) (レス) id: 34c99d5432 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - この作品大好きです!更新再開の予定はあるのでしょうか?応援しています!更新頑張って下さい! (2021年3月25日 12時) (レス) id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - 一気読みさせて頂きました!!とても面白くて楽しかったです。そしてこのお話好きです!大変かと思いますが、応援してます、更新待ってますので、頑張ってください! (2020年10月30日 20時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナタ | 作成日時:2020年5月29日 23時