その2 ページ3
イ「火花…」
『っ！？』
イ「光拳ー！！」
無数の光の拳がランカに襲いかかる
それは、背後で見ていたカイト達にも届くほどでー
『っ雨網っ！！！』
能力を使ったランカは、その火花を１つ残らずすくい取り何とか背後を守る
イチジは、その行動に首をかしげる
イ「そんなことする必要あるのか？」
『あのまま…ほっといたら、後ろの奴らに被害が出るだろ。コレはお前と俺の戦いだ』
イ「そんなもの、俺達なら避けられる。お前の連れてきた奴らは知らんがな。弱い奴の行く末など知った事でもない」
『ー！………』
構えていたランカは、不意に体の力を抜く
イチジはそれが降参したからだと思ったのか
機嫌良さそうに言葉を投げる
イ「諦めたか？賢明な判断だ」
『ー１つ、問いたい』
イ「？…良いだろう。何だ？」
『この国には、男ばかり…しかも、全員顔が同じだった…あのもの達は、あんたにとって何だ？』
イチジは、なんの表情も変えぬまま答える
イ「この国の兵士であり、俺達の盾になる使い捨ての駒だ」
その答えを聞いた瞬間
ランカは心底退屈そうな顔を向けてため息を吐いた
『興が削がれた。もういい。カイト。ハンナ。帰るぞ』
クルリと背中を向けるランカに
イチジは何が起きたのかわからぬように立ち尽くす
しかし、すぐに戻ると声を少しだけ荒げる
イ「もういい？王に向かってなんたる言い草だ！自身を弱者と認めるのが怖いのだろう？」
『怖い？』
カツン、あの靴音が止まる
『そりゃ、あんたの方だろうが』
イ「…は…？」
『恐怖心が無けりゃ、自覚することはできねぇだろうが…俺は、人間や魚人やらとやり合いたいんであって、オモチャと壊し合いたいわけじゃねぇんだよ』
イ「っどういう意味だ！？」
『国民を守れずして何が王だ。その恐ろしさも気が付けねぇ鈍感野郎相手にしてられるか。勝ってもお前から出る謝罪ほど薄いもんはないしな』
イ「っ俺は、ヴィンスモーク家の王たる素質を持って生まれてきた！王には王たる条理がある！！」
『なら、俺は不条理で構わねえ』
イ「っ！？…！？」
理解できぬ様にするイチジに
ランカはもう一度足を進める前に声を出す
『あんたに１つ助言だ
"高潔さは血にあらず精神にあり"…あんたが要らねぇと捨てちまった心が、いつか必要になったその時は…堂々と相手してやるよ』
そして、ランカは2人を連れ出すと
行きと同じ様に背筋を伸ばし船を出て行くのだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 685人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名希望 - 面白すぎます、、一気読みしました!!更新待ってます✨ (2022年11月4日 7時) (
レス) id: 6b03f57d4e (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 読んでいてしあわせな作品に出会えて本当に嬉しいです！更新していただけるのを待っています！作品も作者様も大好きです！1年ほど経っていてもう更新はないのかもしれませんがうらつくの中の私の好きな作品の一位はこれです (2022年1月7日 0時) (レス) id: 76859479df (このIDを非表示/違反報告)
ハッピー(プロフ) - ここまでイッキ読みしたんですが､最高です！神作ですね！作者さんのお暇があれば､無理せず更新して欲しいです！楽しみにしてます！ (2021年10月19日 17時) (レス) @page36 id: e5f0832439 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 続きが気になりすぎて夜しか眠れません(快眠)いつでも待ってます！これからも楽しみにしてます！無理せず出来る時に更新してください＼(^o^)／ (2021年9月14日 21時) (レス) id: 03a4457c27 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨 - 連載初期から読んでて久しぶりに一気見しました…！何回も貴方様の作品に助けられました…！！また戻ってきてくれたら嬉しいです…、応援しています！ (2021年8月18日 8時) (レス) id: fcafa2f1ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カナタ
| 作成日時：2019年10月16日 23時
