33.最後のひと手間 ページ27
ルーレットのボールが落ちる
その場所を、もはや盲目ではない事を隠しもしないロフがかぶりつくように見つめる
落ちたのは、赤の1
ロフが賭けていたのは
赤の30
アレクが賭けていたのは
赤の1
「赤の1。よって、アレク様の勝利と致します。尚、ロフ様はここで敗者となりますので退場してもらいます」
ロフは、目を見開くと
どさり…と力が抜けたように椅子に座り込む
ロ「…何故…お前さんが当たる…?」
『おや、まるで俺が外れるのが当たり前のような言い草だな?』
ロ「…まさか、気づいて…」
『さぁて?何のことかな、イカサマには気がつかなかったが…勝ててラッキーだ』
ロフの後ろから、支配人たちが現れ
ロフとその連れの青年を連れて行ってしまう
アレクは、自分の支配人に目を向ける
『おい、この台。もう使わない方が良いぞ』
支「…と、申しますと?」
『なんだ、気がついてねぇのか?この台は元々あの狸爺のイカサマ用に作られてるじゃねぇか』
その言葉に、後ろで控えていた3人も驚く
ス「え…最後は真剣勝負じゃ…」
『んなわけねぇだろ。あの爺は最初から最後まで自分が勝つ為にあらゆる手段を想定していた…ついでだ。お前らにも説明してやるよ』
そう言って立ち上がると、ディーラーがいた位置に3人を呼ぶ
『まず、スコッチ。ボールを振ってみろ』
ス「え!?…あ、は、はい」
スコッチが振ったボールは、黒の10に落ちる
『次、バーボン』
バ「はい」
綺麗に投げられたボールは、赤の25に落ちる
『最後、ライだ』
ラ「あぁ」
慣れた手つきで投げられたボールは
赤の1に落ちる
『このように、素人が投げりゃだいたい番号はバラバラになる…だが』
そう言って、アレクはロフが置いて行った白杖を拾い上げる
『この杖、やけに大切に持っているとは思った」
持ち手の部分に触ると
いとも簡単にスイッチのような物を見つける
それを押すと
もう一度スコッチに投げさせる
ボールは不自然な動きもなく
自然に落ちていく 赤の1に
ス「あっ…!」
続くバーボンも、ライも
何故か赤の1に落ちて行くボール
『仕掛けは簡単。このルーレットに磁石が埋め込んであり、押せばルーレット側がだしている電波で引き付け合う』
そこで、アレクはルーレットに触る
『だから、俺も対策を打たせてもらった』
ルーレットの面に爪を立てると
パリ…と軽い音と共に剥がれ落ちる
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翡翠(プロフ) - 楽しみにしてます。更新再開嬉しいです。頑張ってください (2020年5月23日 8時) (レス) id: 3260124100 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 最近,どの作品も更新されてなくて心配しました。テニプリの作品も更新頑張ってください^ - ^ (2020年5月23日 1時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ニコさん» 夜も眠れない状態までお待たせしてすみません!また週一ですが更新安定はするかと…!これからも寝る合間に読む程度にお楽しみ下さい…! (2020年3月27日 23時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 続きが気になって夜も寝られません (2020年3月23日 13時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 面白かったです。更新がんばってください (2020年3月17日 20時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カナタ | 作成日時:2019年6月10日 23時