【名探偵コナン】ドS資産家は暴かれない【逆ハー】part2

32.見誤ったのは 誰？ ページ24

「ノーモアベット」

ディーラーの掛け声で、2人ともボールに注目する

ボールはゆっくり軌道を描きつつ落ちていきー




「黒の10。両者とも同じ場所に賭けられていた為ドローとさせて頂きます」


ロフは、呆れたように溜息を溢す

ロ「ワシが見えとらんから、信じないとでも思ったのか？生憎じゃが連れがコインの場所は教えてくれるんじゃ。盲目じゃと舐めてかかると泣きを見るぞ？小僧」

コインがそれぞれの場所に戻ると

不意にディーラーに目線を投げるアレク


『なぁ、あんた』

「はい」

『最初に、イカサマしてたら…なんて言ってたっけ？』

「…"イカサマが発覚した場合、その場で指を切り落とす覚悟を"と」

『成る程…で？あんたはどうなんだ？』


そこで、ディーラーはふと気づく

自分の手が、微かに震えている事に


『イカサマしてんのが…あんただったら、今すぐ指切り落としてくれるのか？』

「ーっ…私は、イカサマなどしておりません」

『…ほう』


ガタン…席を立つと
ディーラーの隣に立つアレク

美しい指先をディーラーの頬に添える

「っ………」

『…ここのディーラーは、この場の為に雇われている様だな？全員が共通して片耳にイヤホンを指している』

「…連絡用です。それ以外には使っておりません」

『だろうな…俺が気になってんのは、こっちだ』


そう言って、イヤホンを付けているのとは反対側の耳を触る

『このイヤリング…結構大きいが、重くねぇのか？』

「…昔から付けているものなので」

『穴が赤くなってる。下に大きく広がってるぞ…最近だろ。コイツを付けたのは』

指先を軽く動かして、器用にイヤリングを外すと

指でイヤリングを押し潰した


「ーーーーっあっ！？」


それと同時に、ロフの付き人の男が
悲鳴を上げて何かを放り投げる

それは、小さなイヤフォンだった


『鼓膜に響くだろう？機械の破壊音ってのは』

「…っあ…」

真っ青になる青年

アレクは、座り続けるロフを見下ろした


『茶番は終わりだ、爺。いい加減目を開いて話をしたらどうだ？見えてんだろ？』

その言葉に、動揺するのはバーボン達

しかし、アレクの指示通りそれを表に出さずに待つ

アレク達のサポートの支配人は黙って成り行きを見守っていた


不意に、肩を揺らすロフ

そして、大声で笑い始めた

その2→←31.見えているのはどっち？

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