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その2 ページ48

意外と顔が近くにあったせいか、囁くような声に驚く景光

それに気がつかないランカは本を軽く見やる

『ミステリーというよりは、サスペンス系だったよな…気になるのか?』

景「あー…いや、何となく手に取っただけだよ」


この本の中身もまるで知らないし、興味もそんなに無い

ただ、ふたつの顔と言われ目を奪われただけだ


公安として組織に入った自分

組織として任務を遂行する自分

どちらも自分の筈なのに、なんでこんな事をしているのか…なんて気分になる

休みの日は、そんな事ばかり考えてしまうから

理由もなく外へ出てしまうのだ


考え込んでいるのか、黙り込む景光に
ランカは本を見つめると声を出す


『…どちらが真実か、なんて…決められねぇよな』

景「…?」

『どちらも自分で、どちらも必要だからあるんだ。この結末はどうであれ…自分を否定したらそれはもう別の存在だ。だからこそ…自分だけは、信じなきゃいけねぇ』


そう言って、笑うランカはどこか儚く見えて

景光は息を一瞬詰める


『自分を信じられなきゃ、誰も信じられねぇからな』


景「…あ…」


何か言おうとして、何も言えず

しかし、確実に自分の何かが救われた

そんな不思議な気持ちを与えておきながら
ランカは本を何冊か手に持ち背を向ける

『会計して来る。好きに見るなり、買うなりしろよ』

そのランカの背中を、景光はただ呆然と見つめていたのだったー






本屋に長く良すぎたせいか
気がつくともう夕方だった

『じゃあ、次会うときは仕事の時だな』

景「…ランカ…」

『それで呼ぶなよ。お前変に抜けてるからな』

そう言って手を振って立ち去ろうとするランカに声をかける

景「ーっ俺は!…信じるよ…アンタを信じる。そんな俺自身を信じるよ」

その言葉に、振り返りもせず
ランカと景光の不思議な休日は終わったのだった




『ダブルフェイスも大変だなぁ』

「僕の知らない所で人たらししてたんですね?」

家に帰り、ラフな服装に着替えたランカは
今日あった事をカイトに報告していた


『さてと…最近ヒロキ君の様子も変だし…やる事だらけだ』

その横顔が、どこか楽しそうに見えたのは
カイトの勘違いだと信じたいー


NEXT コナンズ ヒーント!

''隣のお姉さん''

『どっかのDVDのタイトルみてぇだな』

「それ以上はいけない!!」

47.『誰よりも頼りになるお姉さん』→←46.何も言わないけれど



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設定タグ:名探偵コナン , 最強夢主 , 逆ハー   
作品ジャンル:アニメ
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翡翠(プロフ) - 楽しみにしてます。更新再開嬉しいです。頑張ってください (2020年5月23日 8時) (レス) id: 3260124100 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 最近,どの作品も更新されてなくて心配しました。テニプリの作品も更新頑張ってください^ - ^ (2020年5月23日 1時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ニコさん» 夜も眠れない状態までお待たせしてすみません!また週一ですが更新安定はするかと…!これからも寝る合間に読む程度にお楽しみ下さい…! (2020年3月27日 23時) (レス) id: fbcd1047f0 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 続きが気になって夜も寝られません (2020年3月23日 13時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 面白かったです。更新がんばってください (2020年3月17日 20時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カナタ | 作成日時:2019年6月10日 23時

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