【名探偵コナン】ドS資産家は暴かれない【逆ハー】

10.赤いハンカチと染まらぬもの ページ29

ランカが組織入りしてひと月が経過した

どんな任務も完璧にこなし

尚且つ最短で完遂するその姿は瞬く間に組織内で噂になり

何より、あのRUMでさえも命令できないと知られると

あの男は何者だ、と当然疑われる



そんなランカことアレクサンダーを

誰よりも信用していないのはジンだった

ランカもそれが薄々分かっていたのか
取り敢えずは仲良くしようとは思わず

好きなように思わせておこうと放置していた


そんな時、ボスから指令が届く


ージンと共に、ある政治家から金を受け取れー


やっぱり来たか…と面倒くさそうに髪をかきあげると

ランカは黒いスーツに身を包み
コートを羽織ると現場へと向かうのだった





目的地の廃倉庫には
既にジンとウォッカがポルシェに乗って来ていた所だった


ジ「………おせぇ。流石あの方のお気に入りだな？この俺を待たせるなんざ…」

『時間は守ってるだろ？…』

廃倉庫を見つめると、目を細めるランカ

『…この場所は、あちらさんが指定してきたのか？』

ウ「あぁ、用心深いのか。時間と場所をしっかり指定してきた…その分、額も弾むらしいけどな」

『………』

ジンは、黙り込むアレクを見て
鼻で笑うと煙草の煙を吐き出し
道端でその火を踏み消した

ジ「怖気付いたか？アレク。なんならしっぽ巻いて帰ればいい。その背後から俺が頭ぶち抜いてやるよ」

『…生憎、お前に背中むけるほど信頼してねぇんだよ。ウォッカ。あんたは車で待ってろ』

ウ「はっ…？」

『嫌な気配…予感がするんだよ』

ジ「ハッ！…依頼完遂はその臆病さが理由か？」

『言ってろ。なんならお前も待っててくれて良いぜ？俺一人でも構わねぇよ』

倉庫に向かおうとするアレク

ジンは苛立ちながら舌打ちをする

ジ「…てめぇがヘマやらかしたら、その場で頭撃ち抜くからな」

『はいはい』

ジンは、ランカの先をゆくと

唯一の出入口の扉の前に立つ


ゆっくりと扉を開けると

取引相手であろう男が1人で立ち尽くしていた

それを確認したジンは、ゆっくりと廃倉庫の中へ1歩入ろうとした瞬間ー



ギラリ、鈍い光が男の端から見える

それとほぼ同時に

ランカがジンの腕を掴みわきの方へ引き込んだのだったー


パシュンー！！


撃たれた弾丸は
ジンの左頬を掠めてゆく

強い力では引っ張られたジンは
そのままアレクの上に押し倒すように倒れる

それを皮切りに
一斉射撃が開始され、2人は扉の裏に隠れる事になるのだった

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