【テニプリ】モブ少女の無敗記録【逆ハー】part2 (ページ5)

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その3 ページ5

そんな日々が続いた1ヶ月後

その女子は幸村と二人きりの時に声をかけてきた

「なんで、私の事好きにならないの？」

幸村には、何故好きになるのか理解できなかった

目の前の女子がただ恐ろしい何かにすら思えた

幸「…俺は、なにがあっても君を好きにはならないよ」

その答えを、女子は想定などしていなかったのか
目を見開いて固まると
ギロッ！と幸村を睨み付ける

「じゃあ、良いわ。私もあんた1番じゃないし」

幸「は…？」

その言葉を最後に彼女はその場を離れた

そして、その日から

その女子は学校の何処にも居なくなったのだ

テニス部にはマネージャーなど居ないと言われ

真田や柳には同年代のマネージャーなど知らないと言われ

自分ただ1人だけがあの女子の存在を覚えている結果になった

幸「…でも、それでも良かった。これでまた俺は皆とテニスを楽しめる…優勝目指して真っ直ぐ練習を出来ると…」

そして、雫を見つめる

幸「でも、君が現れた。あの女子と同じように君も俺の仲間を次々と引き込んでいった…不思議な力を使うと言ってね。だから俺は君を信用しない」

そう言いきった幸村
そこで、雫は漸く気が付いた

『…これを見せるために、幸村君目を覚まさない様にしてたの…？』

幸「…他のみんなは覚えていないから。それなのにわざわざ聞かせる事でも無いからね」

雫は、幸村を見上げた後

ふっと優しく笑ってしまう

幸「…何？可笑しいかい？」

『…だって、幸村君。本当に仲間想いだなぁって』

予想していなかったのだろう
幸村が目をパチリと瞬きさせる

幸「…俺は、過去の経験で君を疑ってるだけだよ」

『それは、半分本当だね。』

幸「何を根拠に…」

『だって、私の事何も信じていなかったら。夢の中に入ってくるなんて考えもしなかったでしょう？』

幸「ー」

雫はテニスコートを見つめる

楽しそうに練習をするのは
今のレギュラーメンバーだった

『私の事は信じてなかったけれど、私のことを話す皆のことは信じたい。だから君は賭けに出たんだ』

幸「…賭け？…なんの事かな」

平然を装うように声を絞り出す幸村

雫にはその手は通用しない