【テニプリ】モブ少女の無敗記録【逆ハー】part2 (ページ17)

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その2 ページ17

体育館まで行くと、なぜか人体模型は入ってこない

相変わらずボールのつく音が響く

少年は、顔を真っ青にさせる

「ー嫌だ、止めて、ごめん、嫌だ…っ！」

『…そうか、そういう事か…！』

何か分かったのか、頷く雫

真田の方へ目線を向ける

『弦一郎君。ギリギリまで首有り首なし君をおぶったまま彼に近づけるかい？』

真「承知した」

『皆は、ここで動かずに待ってて』

ゆっくり、他のメンバーを置いて近付く真田と雫

そして、ある範囲に真田が入った瞬間ー

「ーっぎゃぁぁ！！」

背負われていた少年が、首を掻きむしるように苦しみ出す

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い！！！」

ダンっ、ダンっ、ダンっ、ダンっ

ボールをつく音は止まらない

少年は悲鳴を上げ続ける

雫は息を吸い込むと、バスケ少年へと言葉を投げかけたー

『君の首を戻しに来た！！手を止めてくれないか！』

ピタッ

初めて、ボールの音が止まった

それとほぼ同時に、首有り首なし少年は気を失ったかの様に黙り込む

ブ「ど、どういう事だよぃ…？」

少し離れた場所で、呟く丸井

真田は少しだけ冷や汗を掻きつつ、それでも少年を落としたりはしない

バスケ少年は、ボールを抱えたまま

ゆっくりこちらを振り返る

首がないはずなのに、まるで真っ直ぐ見つめられているような感覚に陥る真田は

横からぎゅっと手を重ねられて

漸くハッ！と息を吐き出した

『大丈夫、大丈夫だから』

その言葉に、まだ解決していないのに

何とかなる気がするのだった

『さて…そろそろ2つの七不思議を解決させようじゃないか。何時までもおぶらせるのも悪いからね』

バスケ少年は、ボールを離さないままこちらに体を向けている

雫はほんの少しだけ息を吐き出すと

ゆっくりとある立海に起きていた事故を語り始めたのだったー